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 日経平均が2万円を超え、日本の株価をけん引する自動車、メガバンクが過去最高益を更新した。そんななか世界で金融の“国際ルール”変更が進んでいる。決まると、異次元の金融緩和どころか、国債暴落(金利上昇)の恐れも出てくるという。

 金利が上昇すれば、国民の暮らしにも大きな影響が出ることが危惧されている。

 銀行が持つ国債だけでなく、住宅ローン債権や企業向け融資は、リスクがあるとみなされてバーゼル銀行監督委員会(事務局=スイス・バーゼル)の規制の対象になるからだ。その分、自己資本を積み増す必要が出てくるのだ。

 国民の生活にとっては非常に厳しい状況になる。

「住宅ローン債権がリスクの対象とみなされれば、銀行は積極的にお金を貸すことができなくなります。つまり、銀行が長期の住宅ローンを抑制せざるを得なくなり、ローンが組めるハードルが高くなる。消費者の選択肢が減少すれば、住宅市場が一層冷え込むことが予想されます」(ファイナンシャルプランナー)

 住宅を買えば、家電や家具なども購入するので消費を喚起する。住宅市場が冷え込むと、デフレに逆戻りするどころか、不景気を招く。懸念材料はまだある。 銀行が保有する国債が大量に売りに出されれば、金利が上昇する。その結果、銀行が融資する住宅ローンの長期固定金利も連動してはね上がる。

 経済ジャーナリストの荻原博子氏は、「人生設計を描けなくなる若者が続出する」と警告する。

「金利が上昇すると企業の資金調達のコストが上昇し、企業の収益が減退、景気が悪化するというスパイラルに陥ります。従業員を雇えなくなると雇用が崩壊し、リストラ対象になる労働者が多くなる。そうなると、長期固定で組んだ住宅ローンが完済できなくなるリスクが出てくるのです」

 長期固定金利を代表する、住宅ローンの「フラット35」は、融資が実行された日から最長35年間金利は上がらない。

 低金利の今、すでにローンを組んでいる人は安心だと思うが、返済ができなくなることがあり得る。

「10年、20年後に今の若者が住宅購入を検討する年齢になったら、住宅市場は立ち行かなくなります。しかも、それ以前に住宅業界では、東京五輪が終わったら土地の値段は暴落すると言われているわけですから。金利の問題を差し置いても、既に住宅を購入した人は、一刻も早くローンを払い終えなければなりません」(荻原氏)

 国民の人生設計までも狂う恐れがある。

週刊朝日  2015年6月5日号より抜粋