アマゾン、欧州での「租税回避」を方針転換

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有利な税優遇措置を利用するためにルクセンブルクで売り上げを計上してきたアマゾンが、各国で計上して税を支払う方針に転換した。英国の新しい「グーグル税」や、欧州委員会の調査を回避するためだ。

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英国のアマゾンは、同国での売り上げ申告方法を変更し、課税を英国の税務当局が行うようになったと『ガーディアン』紙が伝えている

アマゾンは2013年、英国における売り上げのうち47億ポンド(約8,900億円)を、極めて有利な税の優遇措置があるルクセンブルクで計上。そのため、英国に支払った税金はわずか420万ポンド(約7億9,500万円)だった。このような売り上げが、今後は英国で課税されるようになる。

アマゾンの方針転換は、英国政府が2014年12月に発表した「グーグル税」(diverted profits tax:迂回された利益への課税)を回避するのが狙いとみられる。この税は「迂回された利益」に対して25パーセントの税金を課すもので、2015年4月1日に施行された。

『ニューヨーク・タイムズ』紙の記事によると、アマゾンはドイツ、イタリア、スペインでの事業の売り上げに関しても、ルクセンブルクを経由して計上するのではなく、英国と同様の方法で申告すると発表している。

アマゾンが各国の子会社を通じて売り上げを申告するようにしたもうひとつの理由として考えられるのが、欧州委員会が2014年に開始を発表した、アマゾンとルクセンブルクの間で結ばれた課税協定に関する調査を回避することだ。2014年10月から開始されたこの調査はまだ初期段階だが、2015年1月には「合法性に疑問がある」という文書が発表されていた。欧州委員会の正式な措置がとられた場合、アマゾンは、EUでのビジネス慣行を強制的に変更させられる可能性があった。

アマゾンだけでなく、国際的大企業の多くが売り上げの申告について同様の手法をとっており、こうした企業がEU内の各国で、アマゾンの新たな会計手法に従うかどうかの判断を迫られている。

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ただし、税金の額をできるだけ少なくする方法は、ルクセンブルクを迂回させる方法以外にもある。例えば、利益に対する商標の使用料を米国の親会社に支払う「ライセンス」費用を設定する。これは、海外に支店をもつ国際的な企業では一般的な会計手法だ。

グーグルは、かなり前からこうした手法に関して批判を受けてきた。2年前には、英国議会の決算委員会(Public Accounts Committee)のマーガレット・ホッジ委員長は、北ヨーロッパを担当するグーグルの幹部に対し、税金に関する同社の態度は「ごまかしであり、計画的で、わたしの考えでは倫理に反するものだ」と述べている

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