「瞑想もまたED治療の一つと考えられますね」
 こう語るのは“EDドクター”こと『浜松町第一クリニック』の竹越昭彦院長だ。先週は、「ウツから起こる抑制型ED」の話を聞いた。

 今回はそれとは真逆で、
 「やる気が満々すぎて、脳内の異常な興奮状態がEDを招くこともあるんです。実はこれ、中高年男性に多く見られる傾向なんです」

 簡単に説明すると、こうだ。オナニーでは射精できても、セックスではイケない中高年も少なくない。
 「とくにイイ女を抱けるチャンスが巡ってきた時ほど、なぜか勃起しない、勃ってもすぐに萎えてしまう。こういうことは珍しくない」

 その理由はズバリ、脳内の異常な興奮状態。
 「人間は興奮しすぎると、交感神経が優位になりストレスも感じてしまうんです。つまり戦闘態勢なんですね。ところが、勃起はリラックス状態=副交感神経が優位のときに起こるんです」

 だが、ここで一つ疑問が生まれる。
 若い時は興奮するほど、ペニスも硬くなり、瞬く間に射精していたではないか。実はこれこそが、「若さ」なのだ。
 「意外に知られていないのですが、10代・20代の若い男性に比べて、30代以降はストレス耐性が無くなるんです。ストレスを感じると、体に不調が起こりやすいのも中高年世代」

 これはビックリだ。男性も社会経験を積むほど、あらゆる苦難にも乗り越えてきたため、ストレスにも強い、と思いがち。
 しかし医学的には違う。
 「ストレスはインナーマッスルと関係しています。いわば体の内側の筋肉です。ここは心筋以外、単独では動かない。そして、副交感神経を動かしているのは、心臓以外の内臓なんです」

 少し難しい話だが、要はインナーマッスルが衰えてくると、副交感神経=リラックスしにくいのだ。
 「人間の体は20代後半からインナーマッスルが衰えてくるんですね。30代、40代、50代…と齢をとるほどインナーマッスルが弱くなり、同時にストレス耐性もなくなるんです」

 若い時はインナーマッスルが強いため、興奮状態であっても副交感神経に切り替えることができた。ところが、加齢とともに、それが難しくなってくるのだ。
 「インナーマッスルを働かせて、若い頃の状態を保ち続けるには、二つの方法があります。一つはウオーキング、もう一つは瞑想です」

 ウオーキングはわかるが、なぜ瞑想なのか。
 「実は自力で脳内の興奮状態を収めることができるのは、『瞑想』だけなんです。まず頭の中を無にしてしまう。余計なことはゴチャゴチャ考えず、腹式呼吸をして、背筋も伸ばして座る」

 一日5分でいいので、瞑想を行うようにすると、
 「自然と頭の中が落ち着いて、副交感神経が優位になってきます。すると、その後の眠りも深くなります。不眠症の方は常に脳内が興奮状態のため寝付けないことが多いですからね」
 むろん、セックス前に瞑想しても良い。加齢とともに衰えるインナーマッスルとストレス耐性は、瞑想によってカバーできることを知っておいて損はない。

 忙しい日々を送る中で、心静かなひと時を作ろう。

竹越昭彦氏
『浜松町第一クリニック』院長。ED治療の第一人者で、バイアグラやレビトラ、シアリスといった治療薬のそれぞれの効果や服用法などに精通。著書に『40代からの心と体に効く【生涯SEX】のすすめ』(扶桑社新書)。