牛フンで走るバス、「定期運行バスの速度記録」を更新

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牛糞から発生するメタンガスを燃料とする英国初のバス「Bus Hound」が、最高時速123.5kmを達成し、定期運行バスの速度記録を更新した。「汚く、悪臭がして、遅い」という牛糞燃料バスのイメージを覆す成果だ。

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英国初の牛糞燃料バス「Bus Hound」が、定期運行バスの速度記録を更新した。英国南部の街レディングの公共バスとして使われているBus Houndは、ベッドフォードシャー州にあるミルブック性能試験場で、最高時速123.5kmに達したことが確認された。

牛糞から発生する生物メタンを燃料とするBus Houndは通常、時速が約90kmに制限されている。レディングで公共バスを運営する「Reading Buses」は、いくつかの微調整(おそらくサスペンションの微調整と、スピードリミッターの解除だろう)を行って、最高時速の引き上げに成功したのだ。

こうした微調整を行わなければBus Houndは、レディングの通りを普通にのんびりと巡回する標準的なバスに過ぎない。このバスには白黒模様が描かれており、英国の牛乳生産に用いられるホルスタイン牛を思い出させる。

「コース上を疾走する姿は印象的でした。ホルスタイン柄の『アヴロ・ヴァルカン』(英空軍の戦略爆撃機)のような音を立てていました。バスのエアロダイナミクスは、時速130kmで走るように設計されていませんからね」。Reading Busesのエンジニア主任ジョン・ビッカートンは、BBCにそう語っている

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Bus Houndという命名は、時速1,600kmを目指す超音速自動車プロジェクト「Bloodhound SSC(日本語版記事)」を称えたジョークだ。燃料となる生物メタンはバイオ・リアクターで、牛糞を嫌気性発酵させて生成される。

生成された生物メタンは圧縮して液化され、バスの屋根の内側に設置された7つのタンクに貯蔵される。液体メタンは圧縮天然ガス(CNG)とよく似ており、内燃エンジンを少し改良すれば利用できる。

「今回のプロジェクトでは、何よりも『汚く、悪臭がして、遅い』という牛糞燃料バスのイメージを払拭したかったのです」とビッカートンは語る。「これは現代的で、高速で、最新の革新的なバスなのです」

なお、Bus Houndは牛糞が燃料だが、GENeco社が英国ブリストルで運行する別のバスは、人間の排泄物と生ゴミを燃料としている。

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