レアルの後任監督候補…最有力のベニテス監督はファンから不人気か

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 2014年5月24日に前人未到のチャンピオンズリーグ10度目の制覇を達成してからわずか1年、レアル・マドリードがクラブ12年越しの悲願だった“ラ・デシマ”(CL10度目の制覇)をもたらした指揮官に見切りをつけた。レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長は25日、カルロ・アンチェロッティ監督を解任することを正式に発表した。

 レアル・マドリードは今シーズン、公式戦22連勝を達成してFIFAクラブ・ワールドカップを制覇するなど、昨年末までは破竹の快進撃を続けた。しかし、今年に入り失速したチームは、コパ・デル・レイ(スペイン国王杯)ではベスト16でアトレティコ・マドリードに、CLでは準決勝でユヴェントスにそれぞれ敗れ、リーガ・エスパニョーラでもバルセロナに逆転優勝を許した。

 主要タイトル無冠が現実味を帯びてきた頃から囁かれ始めたアンチェロッティ監督の解任だが、チームでは大黒柱のポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドを筆頭に多くの選手が続投を希望するコメントを発表した。また、レアル・マドリード寄りのスペイン紙『マルカ』が実施したアンケートによると、73パーセントものファンがイタリア人指揮官の続投を支持した。しかし、周囲の声とは裏腹にクラブ首脳陣は指揮官交代を決断し、噂が現実のものになる結果となった。

 なお、アンチェロッティ監督の後任として、クラブ首脳陣はナポリのラファエル・ベニテス監督の招へいを狙っていると報じられており、ペレス会長も「新指揮官はスペイン語が話せれば素晴らしい」と噂を肯定するかのような発言を行っている。また、アンチェロッティ監督の代理人を務めるエルネスト・ブロンゼッティ氏も、専門チャンネル『Rai Sport』とのインタビューで、「ベニテス監督がレアル・マドリードの指揮官になる可能性は99%だ」と確信めいたコメントを残している。

 しかし、『マルカ』紙が行った別のアンケートによると、ファンから最も多くの支持を受けているのはドルトムントのユルゲン・クロップ監督で、全体の半数近くとなる44パーセントの票を集めている。その一方でベニテス監督は8.9パーセントに止まるなど、ヘタフェなどの元指揮官でチームOBであるミチェル氏の14.7パーセント、セビージャのウナイ・エメリ監督の10.8パーセント、ドイツ代表のヨアヒム・レーヴ監督の9.0パーセントもそれぞれ下回っており、ここでもファンとペレス会長の考え方のかい離が鮮明に出ている。