Doctors Me(ドクターズミー)- 妊娠時は要注意! 寄生虫 "トキソプラズマ"の危険

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トキソプラズマ、という寄生虫を聞いたことがありますか? この寄生虫は世界中でみられます。
なんと、世界的に見ると、全人類の1/3以上と、感染が広く蔓延している寄生虫なのです。つまり、あなたも感染している可能性が十分にあるということ。

妊娠中の感染には要注意


健康な人が感染した場合、免疫の働きによって、症状が現れないように抑えこんでいることがほとんどです。時に、リンパ節が腫れたり、インフルエンザのような症状がでたり、筋肉痛が数日〜数週間続くこともありますが、免疫がきちんと働いていれば、特に問題はありません。
しかし、妊娠中の女性がこの寄生虫に感染してしまうのは非常に危険です。

気になる感染経路

そもそも、なぜトキソプラズマに感染するのか。その感染源は主に、食用肉・内臓(不十分な加熱処理のブタ、ヒツジ、ウシ、トリなど)に含まれるトキソプラズマのシスト(嚢子)、または、ネコの糞に多量に含まれるオーシスト(胞嚢体)だといわれています。それらが、何らかの理由で体内に入ることで感染してしまうのです。また、ネコの糞が混じった土をいじることで感染することも。いっぽうで、ヒトからヒトへの感染はありません。

なぜ、妊娠中の感染が危険なのか

妊娠の数カ月前〜妊娠中に初めてトキソプラズマに感染すると、生まれてくる子どもが、先天性トキソプラズマ症になってしまう可能性があるのです。妊娠中の初感染の約30%が経胎盤感染し、そのうち数%〜20%に先天性トキソプラズマ症を発症します。母親が感染した時期により、先天性トキソプラズマ症の発生率と重症度は異なるのです。
いっぽう、妊娠のかなり前にトキソプラズマに感染していても、体の中に抗体ができているので、まず問題はありません。

妊娠時期による症状の違い

<妊娠初期>
胎児に感染する可能性は低いのですが、重症化しやすく、流産となる場合があります。

<妊娠後期>
胎児に感染する確率は高くなりますが、症状は軽症で済むケースが多いようです。

トキソプラズマ症の症状

脳症、けいれん、水頭症、頭蓋内石灰化、網脈絡膜炎、黄疸、肝臓・脾臓の腫れなどが、見られる場合があります。
また、出生時は無症状であっても、成長とともに、発育不全、精神発達の遅れ、てんかん様発作、痙攣などが出現してくることも。大切なのは、正しい知識を身につけ、母親がもし感染している可能性があるのなら、きちんと治療を行うことです。

トキソプラズマの感染を防ぐには……

1. 食用肉はよく火を通して調理する
2. 野菜や果物は食べる前によく洗う
3. 食用肉や野菜、果物を触れたあとは、温水でよく手を洗う
4. ガーデニングや畑仕事で土いじりをするときは手袋を着用する
5. 動物(特にネコ)のフン、尿を処理するときは、手袋を着用する。もしくは他の人にたのむ
6. 妊娠初期から予防、抗体検査をしっかり行う。

正しい知識で予防することが大切


先天性トキソプラズマ症は、母親が知識を身につけることで、予防可能です。そのような病気もあるのだとしっかり念頭において、妊娠に備えてください。そして妊娠した場合には抗体検査を行い、生活に気をつけ、胎児に病気が感染しないよう、気をつけましょう。