ここにきて、REIT(不動産投資信託)が不気味な値動きを見せている。東証REIT指数は、2011年11月に約800ポイントで底を打って反転上昇に転じ、今年1月中旬に約2000ポイントまで上昇したが、そこで天井を打った。その後は1800〜1900ポイントで揉み合う調整局面が続いている。

 この動きを見て、不動産業界関係者たちは戦慄している。榊マンション市場研究所の榊淳司・代表が指摘する。

「実際の不動産売買の主なプレイヤーは一般の購入者ですが、REITに投資するのはほとんどがプロなので、REITはリアルな不動産価格の先行指標になります。不動産価格が上昇期に入る際には、まずREIT価格が上がり、それを追う形でリアルな不動産価格が上がっていく。

 逆に下降基調となる際にもREIT価格が真っ先に下がる。東証REIT指数の下落は、3年以上上昇を続けてきた不動産市場の潮目が変わったと捉えられるのです」

 REIT価格はなぜ下落しているのか。それを探ると、不動産危機が目前に迫っていることが見えてくる。理由の1つは、都心マンションの利回りが大きく低下していることだ。

「販売価格が上昇したことにより、その物件を購入して賃貸に出した場合の想定運用利回りが4%に満たない状況となっている。しかも、都心マンションの空室率は2割に達しているので、全体として見れば利回りはさらに下がる計算になる」(榊氏)

 賃貸物件の賃料も下落を始めている。不動産調査会社の東京カンテイによれば、今年4月の首都圏分譲マンションの賃料は前月比0.5%マイナス。そんな状況では、マンション物件に投資・運用しているREITは投資家に分配金を出せず、新たに不動産を買いたくても買えなくなる。

※週刊ポスト2015年6月5日号