“堺雅人先生”に診察されている気分【勝手にドラマ採点】
【勝手にドラマ採点・高評価編 第2回】

 いよいよ後半に突入した2015年春ドラマを、雑誌等でドラマ批評を執筆する私、スナイパー小林が評価する本企画。前回に続き、視聴率が低迷するドラマ界の中で希望の光となる作品を点数が高い順にご紹介します。ファンのみなさま、あくまでも個人的な考えですのでご容赦くださいませ。

⇒【前回】勝手にドラマ採点・高評価編 第1回 http://joshi-spa.jp/267734

◆堺先生に診察されている気分です

Dr.倫太郎<85点>
(日本テレビ、水曜22時、主演・堺雅人)

 内閣官房長官も患者に持ち、著書多数、テレビにも出演する、人気精神科医・日野倫太郎(堺雅人)。華やかそうな職業に見えつつも彼の信条はいつも「患者の心に寄り添うこと」。そう、患者のためなら勤務時間もすべてをヒョイと超えて、時間を尽くしてしまう。そんな彼が芸者として働く明良(蒼井優)に恋をするのだが、実は彼女も心を病んでいることが発覚する。

 脚本は中園ミホ、演出は『Mother』『Women』を手がけた水田信生で、『半沢直樹』の堺雅人が主演。スタート前から話題になっていたドラマだ。毎回、さまざまな精神患者が病院へ足を運び、彼の治療を受けるのが大筋のストーリー。そこに明良との恋愛、彼女を取り巻く劣悪な生活環境と登場人物が重なっていく。

「こんな医者がいたら病院も通うんだけど」と思わせてくれる医療モノは、フジTVでかつて人気を博したドラマ『Dr.コトー診療所』以来だ。そもそも弱者を相手にする職業は上流階級のものであって、本来の役割(このドラマでいうなら病気・怪我)を忘れ、ヒエラルキーだけを常に意識する金の亡者に成り上がっていくケースが多々。そういったことを題材にしているドラマもあるし、実際におもしろいのだから仕方ない。でも、弱っている立場の患者からすれば、現実の“先生”は同じ目線で向き合ってくれる存在でいてほしいのだ。その理想が、このドラマには描かれている。

 ドラマ内には「(リストカットの傷跡がある患者に)自分でもこんなことするのは良くないとちゃんと分かっている。それなのに、止めることが出来ない。(中略)この傷はあなたがいろんなものと必死に戦ってきた証なんです」「僕の好きなコメディアンはこう言っています『嫉妬はいつも、正義の服を着てやって来る』」という、いわゆる名台詞が登場する。これが心をぎゅっと掴んで、ハッとさせられる。

 そう、このドラマは、まるで倫太郎先生の診察を受けているような錯覚に陥るのだ。

 なんだかすっかり感情移入してしまいましたが、筆者が精神を病んでいるとかリストカットをしているわけではないので悪しからず。

<TEXT/スナイパー小林>

※次回は、NHKの朝の連ドラ『まれ』と、豪華キャストが出演する『天皇の料理番』を取り上げます。

【スナイパー小林 プロフィール】
1985年TBS系ドラマ「毎度おさわがせします」を皮切りに小学生からテレビおたくになり、You Tube全盛の時代になってもテレビをひたすら愛し続け、文章にする芸能ライター。ドラマもいいけどアナウンサーのディスりも、コーヒーも大好きな40歳。