カリスマ投資家の著作には珍しく投資信託への投資指南も入っている『ピーター・リンチの株の法則」(画像をクリックするとAmazonのページが表示されます)

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運用したファンドの資産を13年間で777倍にした伝説を持つ、稀代の投資家・ピーターリンチ。本人自ら具体的な投資手法や銘柄選択について記した数ある著作の中から、『ピーター・リンチの株の法則』(旧題:ピーター・リンチの株式投資の法則)が20年ぶりの新訳となって発売された。いまだに色褪せないその内容を翻訳担当の平野誠一氏にお話しいただく最終回。今回はピーター・リンチの投資のエッセンスについてお聞きした。

*第1回 「100万円が13年後に2800万円になったピーター・リンチ式のボトムアップ投資手法はいまの個人投資家でも実践できる!」 はこちら

*第2回 日経平均株価2万円、ダウ1万8000ドルの相場をピーター・リンチ、ウォーレン・バフェットならどう考え、どう動き、どう売買するのか? はこちら

編集部 ピーター・リンチがその投資人生から学んだとされる教訓、たとえば「投資は楽しい。エキサイティングだ。ただし、下調べを全くやらずに手を出すのは危険だ」などが並んでいる「ピーター・リンチの二五の黄金律」は巻末に置かれていることもあって地味な印象ですが、個人投資家にとっては大変タメになる内容だと思いました。

平野氏(以下、平野) はい。本当に地味で、読むのを省略してしまいそうになりますが、本書のエッセンスが詰まっているように思います。

編集部 全25条のうち、これだけは現在の個人投資家にぜひ知ってほしい、といったものはありますか?

平野 株式や株式投信への投資で資産を長期的に増やしたいという個人投資家には、ぜひすべての項目に目を通していただきたいと思います。ただ、私自身は、黄金律を翻訳していて特に印象に残ったことが3つありました。

 1つめは、集中投資と分散投資の使い分けです。第14条では、

 「・・・プロのファンド・マネジャーは分散投資を義務づけられているが、普通の投資家は少数の優良株に集中投資できる。保有する銘柄の数を増やしすぎると、この有利な立場をみすみす手放すことになる。・・・」

 と述べており、第8条では「一度に保有するのはせいぜい5銘柄」だと説いています。ところが第23条では、

 「株は買いたいが、下調べは面倒だしその時間もないという場合は、株式投信に投資すること。この場合は、分散投資が得策だ。成長株、割安株、小型株、大型株といった具合に運用スタイルが異なる投信を組み合わせるべきである。・・・」

 と書いているのです。いろいろなスタイルの投信を買っておけば、「株式市場で最も上昇している分野に常に投資していることになる」(新訳110ページ)というのがその理由です。

 そう言われてみればその通りですが、意外ですよね。分散投資の必要性が説かれることの多い個別株投資で集中投資を強調し、すでに分散が済んでいるはずの投資信託で分散投資を勧めているのですから。

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