日本初開催のイベントだったレッドブル・エアレース千葉。

…とはいえ、既存のモータースポーツとはかけ離れたモノ。観客はほぼ100%イベント初見だけに盛り上がるのか?かなり謎な感じで会場に伺いました。

土曜日は終日雨天との予報ながら、お客さんは結構入っている感じでした。日曜日は本当にみっちり。

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飛行機は海岸から100m程、高度25mの所を飛びますので、観客からはパイロットが見える感じです。会場周辺からは高層マンション・ホテルの上層階からは見えるかもしれませんが、会場から200m以上離れます。海上(=船)は700mは近寄らない様に規制されていましたので、500m以上離れている感じでしょうか。飛行は見えますが、色以外での機体の識別は難しそうです。

土手の上なども入場規制がされました。千葉市消防局等の要請だったようです。

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会場はいわゆる「フェス」でも頻繁に利用される場所。そこで過去に酔客が何かしでかした場所をほぼ規制対象にされてしまったとか。日傘とレジャーシートも持ち込み規制対象でした。…日傘は空を見るのに周囲の視界を遮っちゃいますからね。レジャーシートは少人数で広いエリアを占有するのを避け、皆さんに快適に見て頂く為でした。一人分スペースのレジャーシートは販売されていた様です。座り込むには充分な広さと、ロゴ入りなので皆さんに持ち帰って頂ければ、公園の清掃負担も少なく出来るという事で採用されたようです。

飲料が高い・トイレが少ないなど他にも問題が有った様ですが、次回は改善される事でしょう。

土曜日、日曜日とプレス対象のハンガーツアーがあり、浦安の臨時飛行場に。
護岸と防波堤の間に30m程のスペースが有り、そこに臨時管制塔とハンガー(駐機場)、600~700mの滑走路が設定されていました。

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選手と飛行機はここから幕張に飛んで行き、競技です。1時間程ハンガーを制限付きながら見学できました。メディアの一番のお目当てが勿論室屋選手…人垣が絶えません。
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一方、周辺には普通にエアレースパイロットが歩いています。

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サーキットのパドックなどとは違い、臨時とはいえ入場制限が厳しい(ココまでに3箇所でチェック)のは、飛行場ならではでしょうか。

レッドブルのHPでは格好よさを前面に出した結果コワモテに見える選手がことのほか柔和な顔でインタビューに応じています。「エアレースのゴットファーザー」ことベゼネイ選手も女子アナにはちょっと優し気。

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そんな中、優勝したポール・ボノム選手はサインを求められていたのですが、差し出されたのはボールペン…それを見たボノム選手は「マッキー持ってくる」と言い残し、奥に駆け出し、戻ってきたその手には油性ペン「マッキー」が。

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普段はB-747を操るパイロットのやさしさが垣間見えました。

土曜日の予選、飛行出来なかったルボット選手、決勝には参加出来そうです。

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そこにレースディレクターのスティーブ(ジョーンズ)がやって来ました。機械を差し出すとルボット選手が息を吹き込み、数値をチェック。

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アルコール検査ですね。なぁなぁで何かあっては大変。エアレースもしっかりチェックしています。

直後、ルボット選手に写真を撮らせて頂きました。ややマッチョ系が多いRBパイロットの中では、知的な印象のフランスのトップガン育成教官は格好イイです。お礼を言って、立ち去る際にやや恥ずかしそうに「アリガトゥ」と日本を頂きました。

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好感度かなりUPです。千葉では散々な結果でしたが次戦以降の活躍にも期待です。

室谷選手の周りもようやく人が減り始めましたが、ソコに2人の日本人が。元TMG社長だった木下美明さんと元フェラーリ&BSの「ハミー」こと浜島裕英さんが来訪。このVIPの訪問には室屋選手も満面の笑顔でした。

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土曜日だけでしたが、会場には「こじるり」こと、人気タレントの小島瑠璃子さんやTV中継を担当する、つじよしなりさんも来場していました。他にもレポーターのタレントさんが多数いて、注目度の高さが判ります。

ハンガーで間近で見られた飛行機は、エンジンとプロペラは共通部品である事は既に紹介していますが、水平対向6気筒エンジンです。

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今やレーシングカーにはエンジンはストレスマウントが必須なので、水平対向エンジンは剛性的に…ですが、軽飛行機ではプロペラのみ。今も最良のエンジンとして搭載されています。エンジンカバー前方に3つ開口部が有りますが、左右はエンジン(シリンダー)冷却用で、

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下の穴から吸気をします。

また、左右の冷却孔は最新型と云われる室谷機には「まん丸い穴」が開いていますが、

優勝したボノム機の冷却孔は四角です。エンジンが統一されて1年、未だ最適化は図り切れていない様です。

一方、主翼後端の補助翼(エルロン)の下には三角や四角の板がステーを介して付けられています。

こちらはパワステの無い競技機なので、舵を切った時の風を受けパワステの様な効果が得られるとの事。この板の大小や形状もセッティングとして調整します。翼端は刃の様に鋭利です。

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テント内では、うっかり怪我をしない様にプロペラにテニスボールに刺しているチームが目立ちました。

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また、話題になった室屋号のキャノピー(コックピットの風防)は、本当に小さいです。

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他機に比べて着座姿勢を寝せている様です。

本番では新機体になり速度が稼げる様になった事で、旋回前に速度を殺しきれずGオーバー…初の実戦で判ったミスでの敗退でしたが、次戦以降の活躍と悲願の初優勝に期待が持てる結果でした。

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日曜は晴天の元、室屋選手の決勝緒戦の総合トップタイムには大歓声が、そしてRound of 8ではチャレンジしての敗退に大きな拍手が送られました。

競技会場の千葉市も臨時飛行場を抱える浦安市も次回以降の開催には主催者以上に前向きです。東京オリンピックを控え、海外向けPR効果も期待しての全力協力のようです。

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早くも2週間後に次のエアレースがクロアチアのロヴィニで開催されますが、しっかり予習して来年の開催を楽しみたいものです。

そして、待ちきれない人は以下のギャラリーをどうぞ!

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photo:t.ohkawa/川崎BASE/Michael Clark/Red Bull Content Pool
text:川崎BASE

spectatorMuroya's HungerControl TowerCorvus RacerIvanoff's Edge540 V3IvanoffMcLeodBeseneyBonhommeBonhommeMuroyaMuroya & HammyLevotLevot medical examinationLevotGoulian's Edge 540 V2Muroya's Edge 540 V3.5Bonhomme's  Edge 540 V2Muroya's Edge 540 V3.5Muroya's Edge 540 V3.5REMOVE BEFORE FLIGHTDolderer's Edge 540 V3Muroya's AttackCorvus RacerLamb's WINGLETMayor of Urayasu & ChibaAirWolf?FLUGTAG2013

【レッドブル・エアレース千葉】優勝したボノム選手は意外にもとても優しい人だった(http://clicccar.com/2015/05/24/307246/)