<関西オープンゴルフ選手権競技 最終日◇24日◇名神八日市カントリー倶楽部(6,900ヤード・パー71)>
 開幕戦の「東建ホームメイトカップ」に続く最終日最終組。プロ9年目の片岡大育が5バーディ・1ボギーの“67”で4つスコアを伸ばし、トータル17アンダーフィニッシュ。ようやく訪れたツアー初勝利を逆転で飾った。
プロ9年目の片岡がツアー初優勝!国内男子ツアーをフォトギャラリーでチェック!
 同組の山下和宏、岩田寛がスコアを落とす中、序盤は1人着実にスコアを伸ばした。2番パー5ではグリーン手前のグラスバンカーからのアプローチを寄せてバーディを奪うと、4番からは4連続バーディ。一気に混戦を抜け出した。「想像では1打差」。スコアボードを確認することができずに迎えた後半は「めっちゃ焦っていた」。それでも、集中力を切らすことなく懸命にパーを並べていく。最大のピンチは13番。バンカーから寄せきれず残した2メートルのパーパットは、前日から継続している浅めのライン読みでねじ込んだ。
 たどり着いた18番グリーンで3打差を確認すると、ようやく浮かべた安堵の表情。26歳にして迎えた歓喜の瞬間は、「ありがとうございましたって感じで」ガッツポーズもなくサンバイザーを外して静かにかみしめた。
 片岡は07年の「中四国オープン」で倉本昌弘以来のアマチュア優勝。その肩書を引っさげて同年の11月にプロに転向した。しかし、08年はレギュラーツアー3試合に出場してすべてで予選を通過したものの、09年は開幕から5戦連続で予選落ち。「もう絶望感しかなかった。やっていけるのかどうかわからないというところまで落ちた」。
 どん底の中、コーチの青山充氏の指導でイチから技術を磨きながら、活路を求めたのは海外だった。合宿で行ったアメリカでは現地のミニツアーを探してエントリーするなどしながら武者修行。出場機会を求めて2011年からはアジアンツアーにも参戦し、3年連続でシード権を確保した。
 「アジアの連戦で、練習したことを試合で試す機会が多くて、よりはやく技術を習得できたと思う。アジアに行っていなかったら、こんなに早く優勝はできなかった」。メジャーチャンピオンのアーニー・エルス(南アフリカ)らと優勝争いを繰り広げたのも大きな経験だった。
 昨年アジアンツアーのシード権は失ったものの、海外挑戦への思いは捨てていない。「2年シードを獲れたし、今年はヨーロッパかアメリカのQTを受けに行きたい」。2年前に大阪に拠点を移したのも、海外へのアクセスの良さを考えてのもの。優勝の余韻に浸る間もなく、明日は朝7時スタートで岡山県での全米オープン日本地区最終予選。26歳の視線は、初優勝の先にあるものをすでに見すえている。
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