【米国はこう見ている】川崎宗則、初戦無安打も変わらぬ人気 「みんな彼のアプローチを愛してる」
今季初のメジャー昇格で先発、不発も地元トロントは人気者を大歓迎
ブルージェイズの川崎宗則内野手が今季初めてメジャー昇格を果たし、22日(日本時間23日)の本拠地マリナーズ戦で、いきなり「9番・二塁」でスタメンに名を連ねた。しかし、3打数無安打1三振と不発。試合も3−4で敗れたが、地元テレビや観衆は帰ってきた「ムネ」に大注目。改めて川崎人気の絶大さが浮き彫りになった。
この夜、ロジャース・センターに帰ってきた人気者の話題でトロントは持ちきりだった。
地元TV局の「スポーツネット」は、いきなり66番のカワサキTシャツを着た男性ファンの背中の大写しから試合の中継をスタートさせた。
「ムネノリ・カワサキがクラブハウスに戻ってきました。3Aバファローから召集され、彼は二塁でプレーします」
実況はファン待望の昇格を果たした川崎の先発出場を真っ先にレポート。そして、試合はスタートした。
最初の盛り上がり見せたのは3回無死一塁の場面。今季メジャーで初打席を迎えた川崎の打席でやってきた。
「ムネノリ〜、カワ〜サキ〜!」
場内アナウンスで名前がコールされると大歓声が巻き起こる。スタンディングオベーションで歓迎し、拍手を送るスタンドのファンも多かった。
「ロジャーズセンターですごくポピュラー。毎日、毎日、全力を出し切る選手」
「カワサキはここロジャーズセンターですごくポピュラーです。毎日、毎日、全力を出し切る選手です。みんな、彼の仕事に対するアプローチを愛しています」
言語を超越したコミュニケーション能力、切れ味鋭いダンスのみならず、一切、手を抜かないハッスルプレーでメジャーの人気者となっている川崎は、実況にこう称えられていた。
相手ピッチャーはかつての同僚で、2010年にサイ・ヤング賞を受賞したメジャー最強右腕へルナンデス。打席に入る際、一瞬、バントの構えを見せると、解説者は「彼は勝つための細かいことも理解しています。だから、バントするようなそぶりを見せたのでしょう」と分析した。
川崎は初球を果敢に打って出たが、遊ゴロに仕留められる。一塁に猛ダッシュを見せたが、惜しくもアウトとなった。しかし、ダグアウトに引き上げる背番号「66」に対して、スタンドからは再び大きな拍手が巻き起こる。“ムネ人気”は圧倒的だった。
ファンが期待したヒットはその後も出ずに3打数無安打1三振。今季もマイナー契約を結び、3Aで開幕を迎えていたが、正二塁手のデボン・トラビスが左肩を痛めて故障者リスト(DL)入りしたために、初昇格と今季初出場を手にした川崎。歓声を浴びせ続けた地元ファンは、人気者の活躍を待ちわびている様子だった。