『ランキングでわかるヨーロッパ各国気質: 日本と比べて幸せなのか』片野 優,須貝 典子 草思社

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 世界各国、それぞれの国で異なる文化や慣習。その風土のなかで生まれ育ち、長年生活を営んでいると、自ずと人びとの気質といったものにも、ある共通する特徴が表出してくるのかもしれません。

 片野優さんと須貝典子さんによる『ランキングでわかるヨーロッパ各国気質』では、さまざまなランキングを通して、各国に暮らす人びとの気質を分析。「世界の教育水準ランキング」「世界で最も暮らしやすい都市ランキング」といったものから、「最もクールな国民・ダサい国民ランキング」「空気を読まない人が多い国ランキング」「お母さんにやさしい国ランキング」「裸を見られても平気な国ランキング」「観光客にフレンドリーな国ランキング」といったユニークなものまで、さまざまな世界ランキングをみていくことで、ヨーロッパ27カ国の国民性の違いを解説。またその際、日本人気質との比較も試みることで、日本の特異性も浮き彫りにしていきます。

 さっそく実際に、いくつかのランキングをみてみましょう。

 まず、世界29カ国の国民1日当たりの平均有償労働時間と無償労働時間(家事や買い物)の合計を比較した、「世界で最も労働時間が長い国はどこか、短い国はどこか」ランキング(OECD2011年調査)。このランキングによると、最も労働時間が長いのはメキシコの9.9時間(有償労働5.7時間+無償労働4.2時間)、続いて日本の9.0時間(有償労働6.3時間+無償労働2.7時間)。

 一方、最も労働時間が短いのは、ベルギーで7.1時間(有償労働3.8時間+無償労働3.3時間)。世界で最も働かない国民、ベルギー人の労働への取り組み姿勢について、本書では次のように説明します。

「普通のベルギー人の会社員は四時になると早々と退社し、幹線道路は五時前に大渋滞となる。鼻かぜくらいでも病欠する。それは当然の権利だし、フランス人ほどではないがバカンスだってしっかりとる。残業はともかく、休日出勤など論外だ」

 続いて、少しユニークな「ビーチでヌードになる国」、別名「開放的な海の男・女」ランキング(エクスペディア2014年調査)。

 世界24カ国の男女に「あなたはビーチでヌードになったことがありますか?」という質問をしたところ、「ある」という答えが最も多かったのは意外にも、まじめ・規律正しい・正確・頑固といったイメージのあるドイツ。ちなみに日本は最下位。

 一見意外にも感じる結果ですが、ドイツ人のヌード志向は今にはじまったことではなく、100年にも渡る歴史があるのだそうです。

「もともと暗く長い冬に生きるドイツ人は太陽崇拝者で、ヌーディズムは一九二〇年代から合法化されていた。七〇年代には服といっしょに古い世代の厳格な道徳観も脱ぎ捨てて、裸でビーチや湖や公園を歩き回るという社会現象が顕著になった。とりわけ当時共産主義だった東ドイツでは、抑圧された社会で個人の自由を表現する手段としてもてはやされ、ドイツ全土に『FKK』、すなわち『フライ・ケルパー・クルトゥア(=自由な身体文化)』が花開いたのだった」(本書より)

 さまざまなランキングから見えてくる、各国に暮らす人びとの気質。気になるランキングの結果とともに楽しめる1冊となっています。