<関西オープンゴルフ選手権競技 2日目◇22日◇名神八日市カントリー倶楽部(6,900ヤード・パー71)>
 188センチの恵まれた体にポーカーフェイス。「関西オープン」に出場した150名の中にあってその存在感は際立っていた。ウォンジョン・リー。オーストラリア国籍の29歳が、この日ボギーフリーの“65”を叩きだしトータル9アンダーで片岡大育と並んで首位タイに浮上した。
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 ドライバーショットは300ヤードを超える、見た目を裏切らないプレースタイル。その飛距離は総距離6,900ヤードのコースにはちょっぴり窮屈だ。「このコースではあまりドライバーを使えない。パー5といくつかのパー4だね」。それでも、有り余る飛距離をいかして、この日は3つのパー5すべてでバーディを奪うなどしてスコアを伸ばした。
 韓国で生まれ、4歳でオーストラリアに移住。ラグビー、バスケ、テニス、スイミング、柔道など多くのスポーツを経験してきたが、もっとものめり込んだのがゴルフだった。オーストラリアで腕を磨いて、2005年、06年には2年連続で日本オープンのローアマチュア。07年からは米国下部のネイションワイドツアー(現在のWeb.comツアー)に出場し、同じオーストラリアのマーク・リーシュマンらと共にしのぎを削った。
 だが、その場にいた誰もが夢を描くPGAツアーへの切符はつかむことができなかった。「マークは上にいったけど、僕はダメでオーストラリアに帰ることになった」。きっかけは右手首の故障だ。生まれつき右尺骨が長いリーは、軟骨が人よりも少ないためショットの衝撃がそのまま手首に蓄積。だましだましプレーを続けてきたが、2012年に限界に達して米国からの撤退を余儀なくされた。
 2013年には日本のQTを受けたものの、その1か月後に痛みが再発。「もう引退かと思った」。だが、手術はせずにトレーナーと共に復活への道を懸命に探ると、ようやくプレーできるまでに回復。昨年のQTを6位で通過し今季の出場資格をつかんでみせた。「トーナメントを戦える状態にはまだなっていないけれど、3年間離れていたのでゴルフが出来るのがうれしい」。今年の4月からは日本ツアー本格参戦を見すえて韓国に移り住んでいる。
 そのポテンシャルを今大会でも十分に爆発させているリーだが、怪我をしてからというもの手首に負担が出ないようにパワーをセーブするようになったという。「今日はドライバーがあまり良くなかったんだ。でも、1つだけ良いところがあったね。えーと…3番かな。330メートル(約360ヤード)飛ばして、セカンドは182ヤードを6番アイアンで打った」。突如現れた異能の怪物は日本ツアーに旋風を起こすか。
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