大相撲夏場所(両国国技館)は終盤戦に突入。優勝争いも佳境だが、その奮闘ぶりがひときわ光っているのが、サッカーのカズ、野球のイチロー、スキージャンプの葛西などと並ぶ角界のレジェンド、幕内の最高齢力士、旭天鵬(40)だ。
 今場所で幕内在位98場所目。あと2場所で史上2人目(1位は魁皇の107場所)の100場所に到達する。今場所5日目には魁皇の持つ幕内出場回数1444回を上回り、こちらは史上1位に躍り出た。

 「そのうちに大相撲界の記録は全部、モンゴル力士に塗り替えられてしまうよ」
 ある大相撲関係者はそう言うが、ほぼいつ十両に落ちるかわからない平幕で暮らしながら、これだけの出場回数を積み重ねてきたのだから、やはり素直に褒め称えるべきだろう。この旭天鵬の長持ちの秘密はどこにあるのか。
 「本人は次の3つを挙げています。一つ目は決して無理をせず、食べたいだけ食べ、飲みたいだけ飲む。次に常に前向きでいること。年齢のことを言われても、逆によくやっているじゃないかと褒められていると受け取ることにしているとか。そして決して怠けないこと。毎日、必ず稽古場に降りて体を動かすようにしている。汗をかくと心が落ち着くそうです。どれも納得できることばかりで、中高年の人にはぜひ参考にしてほしいですね」(担当記者)

 次々に塗り替えていく記録も、今では大きな活力剤になっている。
 「どんなものであれ、次はこうしてやると目標を持っていた方がいい。そうしないと、気持ちが動かないこともあるから」と旭天鵬は話し、身近に置いているティッシュの箱に達成できそうな記録を紙に書いて貼っている。こんないつまでも年齢を感じさせない旭天鵬に、これまたさまざまな記録を更新中の横綱・白鵬も「2人でゆっくり話してみたい。きっと参考になることも多いはずだから」と一目置き、魁皇の記録に肩を並べた4日目の夜にはさっそく夕食を共にした。

 モンゴル人同士の連帯感もバッチリ。これでは日本人力士の出る幕がない。