NASA、3Dプリントで作る火星基地のデザイン・建設技術コンペ。材料は現地調達、賞金総額225万ドル

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有人での火星探査を計画する NASA が、火星に建設する居住設備(基地)の設計コンテスト「3D Printed Habitat Challenge」を発表しました。3Dプリント方式のデザインコンペと、火星にある材料から住居を作り出すための技術開発コンペの2段階で開催され、賞金総額は225万ドルです。
 
 
 このコンペの目的は、計画される火星への有人飛行よりも前に建設機械を火星へと送り込み、やがてやってくる飛行士らを迎え入れる居住設備を半自動的に作りあげる技術を開発すること。

想定される居住設備の大きさは約307坪で、4人のクルーが生活するためのキッチン、リビング、バスルーム、そして寝室を備えることが前提です。さらに飛行士それぞれの担当する分野、たとえば地質学や測量、生物学、化学などの研究に使えるスペースも必要とされます。

居住設備そのものをデザインする部門はすでに応募作の登録を受付中。全応募作品から評価の高い30作品は9月27日の World Maker Faire New York で審査され、そのなかで最も優秀とされた作品には賞金5万ドルが与えられます。
 

 
さらに9月26日からは賞金の残り220万ドルをかけた建設技術部門のコンペが始まります。建設技術部門は2つのレベルに分けられ、それぞれの最優秀作に110万ドルずつが分配されます。

レベル1は、住居を構成する各部の部品を製造するための技術開発コンペ。材料は火星で現地調達しなければならないものの、機材を運搬してきた宇宙船から不要なものはリサイクルしても構いません。そしてレベル2は、レベル1で製造した材料を使って自動的に実物大の居住設備を組み立てる実践的な建設技術コンペとなっています。NASA はここで得た技術は地球上でもたとえば建設用資材に乏しい地域での宅地開発などに活かせるかもしれないとしています。

マンガ「宇宙兄弟」では、主人公が月面の砂を材料とした3Dプリンターで月面基地を建設するというエピソードがありました。今回のコンペはまさにそれの火星版といえるでしょう。しかも火星にはまだ人はおらず、ほぼ自動的に住居を建設できなければならず、さらにハードルは高いものとなっています。

ちなみにいくらマンガに描かれたところで、多くの人にとっては月の砂で基地を建設するなど「絵空事」だったはずです。ところが NASA や ESA はすでに(本気で)月面の砂を材料に3Dプリントで月基地を建設する計画を発表しています。ロシア宇宙局もまた2037年までに月面に基地を作る計画を発表しており、これから20〜30年後には月や火星で建設ラッシュが巻き起こっている可能性もないとは言い切れない状況です。ゼネコン各社は宇宙建設部門の創設を急ぐべきかもしれません。

なお、NASAは昨年にも3Dプリンターメーカーの MakerBot とともに 3D プリンターで作る火星基地のデザインコンテストを実施しています。