まず初めに、以下の症状と生活習慣が該当する人は、栄養失調か、それになる可能性があるので要注意だ。

●症状
(1)疲れやすい。
(2)風邪を引きやすい
(3)やる気がない。集中力が出ない。
(4)抜け毛が多くなった。
(5)ED、あるいはED気味。

●生活
(1)ご飯、麺類、パスタなどの主食が中心。
(2)肉をあまり食べない。
(3)酒をよく飲む。
(4)甘いものが好き。
(5)ストレスが強い環境にある。

 「日本における現代の栄養失調は“食べなくて起こるもの”とは限りません。食べているのに栄養が足りない人が非常に多いのです」
 こう語るのは、日本病態栄養学会専門医の伊藤圭史院長で、一例を紹介してくれた。

 40代のサラリーマンAさんの場合、最近になって疲れやすく、風邪を頻繁に引くようになった。睡眠も不足がちで昼は眠い。食生活は、朝はコンビニのパンとコーヒーで済ませ、昼はラーメンやカレー、夜は立食いそばなど麺類が多い。ほぼ炭水化物(糖質)で占められていて、ビタミン、ミネラル、タンパク質の摂取がないに等しかった。
 「これはサラリーマンの典型的なパターン。糖質を過剰に摂ると、その代謝のために大量のビタミンB群が消費されてしまうのです。もともとビタミン類が不足しているのに、さらなる大量消費で、欠乏状態に陥っていたのです」(伊藤院長)

 さらに、さまざまな要因でストレスが強ければ、体内でこれに対抗するための“抗ストレスホルモン”が合成される。ビタミンB群は、その合成を助ける働きがあるので、よりいっそう消費され、欠乏状態に拍車がかかる。
 そうなると“低栄養”となり、「貧血」「脳溢血」「肺炎」「骨折」など、身体のあちこちで病気を引き起こす深刻な状態になってしまうという。

 もう一つの例を挙げてみよう。都内に住むBさん(72)は、数年前からよく転ぶようになった。1年前、自宅の階段で足を踏み外し転げ落ちて骨折。病院で調べたところ、“低栄養”が背景にあることがわかった。
 しかし、Bさんは「栄養不足」と言われた担当医の診断に納得がいかない。人一倍、栄養摂取について気を使ってきたのでショックだった。
 また糖尿病を患っていたCさんは、体調不良を感じ診察を受けると、何と「結核」と判断されて即入院。その要因も「栄養が不足しています」だった。Cさんも「食事はきちんと食べているのに…」と診断が受け入れられない。

 総合医療クリニックを営む医学博士・久富茂樹院長の話。
 「ご本人が十分摂っていると思っている栄養素も、血液中の成分量の検査で、どんな状態かわかります。“アルブミン”という成分量を測り判断するのです(3.5g/dl以下で低栄養、3.8g/dl以下で低栄養予備軍)。このアルブミンはタンパク質の一種で、この数値が低いほど栄養不足になり、生存率が下がります。逆に、タンパク質をしっかり摂るとアルブミン値が上がることも実証されています」