2015年スマホ夏モデルは「発熱しやすい?」ネットで懸念する声が上がり始めた理由と真相

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5月19日ソフトバンクの新製品発表により、大手ケータイキャリアの2015年夏モデルの発表が完了した。

そのような中、「今夏のモデルは発熱しやすいから心配」という声がネットでささやかれている。
まだ発売されていない製品がどうして「発熱しやすい」などと言われてしまうのだろうか。

●ことの発端はSnapDragon 810と海外サイト
この話題に深く関わっているのは、スマホ用の最新CPU「SnapDragon 810(MSM8994)」だ。

今年の春、海外ネットが最新スマホの発熱をテストしたところ、スナップドラゴン810を搭載した「HTC One M9」だけが55.4℃まで発熱したという結果を発表した。ちなみに同時にテストした他のCPUを搭載した製品は、それぞれ40℃前後とのこと。

その話題が広まった結果、モバイルガジェット愛好家の間で「SnapDragon 810搭載スマホは発熱しやすい?」と認識されているようなのだ。

●今夏のモデルはスナップドラゴン810搭載機種が多い
そこで、2015の夏モデルの話しに戻ろう。
今回発表された夏モデルで「SnapDragon 810(MSM8994)」を搭載している機種を確認してみよう。
NTTドコモ
ARROWS NX F-04G
AQUOS ZETA SH-03G
Xperia Z4 SO-03G
Xperia Z4 Tablet(タブレット)

KDDIau
AQUOS SERIE SHV32
HTC J butterfly HTV31
Xperia Z4 SOV31
Xperia Z4 Tablet SOT31(タブレット)

・ソフトバンク
AQUOS Xx
Xperia Z4

以上、スマホ8モデルとタブレット2モデルに「SnapDragon 810(MSM8994)」搭載されている。
それら全てがハイスペックモデルとなっている。
このことから、「発熱心配だな」「発熱するのではないか」といった発言が上がっていると推測される。

●そもそも高性能モデルは発熱しやすい
今回ささやかれているのは、特定のチップセットが搭載されたモデルが話題となっている。
しかし、SnapDragon 810に限らず、それ以前の高性能モデルでも発熱しやすい環境にあることを忘れてはいけない。

特に近年のモデルは、ディスプレイの高画質・高精細化により同じ情報を表示させるのにもより大きなパワーが必要となっている。
現在のハイスペックモデルでは、発熱を上昇される要素がてんこ盛りなのだ
・LTEやVoLTEに対する高速通信制御
・ひんぱんなLTEとWi-Fiの切り替わり制御
・高速通信になりバックグラウンド通信の増加
・防水モデルの排熱問題
・高画質ゲームによる発熱
・CPUのコア数の増加、動作クロックの上昇


こういった一昔前より発熱量が大きくなる条件が整ってしまっているのだ。
スマホ本体の発熱増大は、安全装置による動作停止、動作の不安定、故障の原因を引き起こす大きな問題でもある。
高性能なスマホは快適な動作は必要だが、発熱しにくい、排熱しやすい製品の開発にも期待したい。


布施 繁樹