どこまで伸びるかは未知数

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バンダイナムコホールディングスが空前の好決算を謳歌している。大幅な増収増益となった要因の1つが人気ゲーム「妖怪ウォッチ」だ。おもちゃなど関連商品の売上高がグループ全体で552億円に達し、当初予想していた70億円の約8倍となる爆発的ヒットを記録し、業績を押し上げた。

「ここまで伸びるとは」

2015年3月期連結決算は前期比11.4%増の5654億円、本業でのもうけを示す営業利益も26.1%増の563億円となった。バンダイとナムコが経営統合した2005年以来、過去最高を更新した。

「妖怪ウォッチ」はバンダイの稼ぎ頭である「機動戦士ガンダム」関連商品の売上高767億円には及ばなかったものの、一貫して高い人気を誇る「仮面ライダー」(262億円)、「スーパー戦隊」(232億円)、「アイカツ!」(117億円)を軽く上回った。新規キャラクターが初年度でここまで伸びたことに対し、バンダイも「さすがにここまでとは」と驚きを隠さない。

社会現象となった妖怪ウォッチだが、関連商品の中でもおもちゃの腕時計「DX妖怪ウォッチ」と「妖怪メダル」は品切れが続くほどの人気となった。人気をあおるために生産調整が行われているのではないかと疑われ、昨年8月の2014年4〜6月期の決算発表で会社側がわざわざ否定に回るほどだった。

ネット上でも「こんなに当たるなんてすごい」「予想もしていなかった」など妖怪ウォッチの高い人気に対し、驚きのコメントが並ぶ。

「たまごっち」の苦い経験

一方で「それでもガンダムには適わないのか」「改めてガンダムのすごさが分かった」といったガンダムを再評価する声も少なくない。

そもそもバンダイの好業績は、高い人気を維持しているガンダムや仮面ライダーなどに妖怪ウォッチ分が上乗せされたものだ。バンダイは長年かけて育ててきたガンダムなどのキャラクターのように、「妖怪ウォッチも息の長いコンテンツにしたい」という考えがある。なぜなら、かつて大人気となったものの、あっという間にブームが去った「たまごっち」の苦い経験があるからだ。

業界にも「妖怪人気はそう長く続かないのでは」(アナリスト)との懸念がある。バンダイも2016年3月期はブームの反動で妖怪ウォッチ関連商品の売上高は約4割減ると見込んでおり、全体でも減収減益を予想している。一方で最高益をたたき出した余勢を駆って、成長が期待されるアジア地域での事業展開を強化していくが、どこまで伸びるかは未知数だ。