【TDS】なぜファンたちが反発?「ストームライダー」がなくなってしまうと困る4つの理由

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東京ディズニーシー(TDS)のポートディスカバリーに、ディズニー/ピクサー映画『ファインディング・ニモ』と『ファインディング・ドリー(原題)』(2016年公開予定)の世界を舞台とした新規アトラクションの導入が発表されました。

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導入時期は、2017年春とのこと。

新アトラクションはもちろん喜ばしい事なのですが、代わりにクローズしてしまうのは、開園当初からある「ストームライダー」!

先日、第8テーマポート(映画『アナと雪の女王』要素を含む、北欧テーマのエリア)の建設が発表されたシーですが、ノーマークだったまさかのポートディスカバリーに、こんな大きな改革があるとは驚きです!

「ストームライダー」クローズまで、まだ一年ありますが、早速ネット上では終了を惜しむ声で溢れています。

なぜファンが反発するのか、どんな問題があるのか、4つの視点から解説していきます。

その前にまずは確認!「ストームライダー」って、こんなアトラクションです。

【TDS】実はこんなにおもしろい!「ストームライダー」を10倍楽しむための徹底ガイド

問題1 エリアのバックグラウンドストーリーをどうする?

ポートディスカバリーは、“ストームライダー計画” の成功を祝っている、という設定のテーマポートです。

このエリアの主体とも言える「ストームライダー」がなくなってしまうと言う事は、エリアのバックグラウンドストーリー自体が大きく変わってしまう可能性があります。

物語上では、ストームライダー自体の存在は残しつつ、全く新しいストーリーと言う事になるのでしょうか?

(1)「気象コントロールセンター」がなくなって大丈夫?

「ストームライダー」は “気象コントロールセンター(Center for Weather Control=CWC)” が開発したもの。

ポートディスカバリーには、CWCによる「ストームライダー計画」の研究成果を発表するフェスティバルをエリア全体で開催中……と言うストーリーがあります。

ディズニーシー・エレクトリックレールウェイ」の線路の下にはバナー(旗)がたくさんありますが、これもそのためです。

新しく導入される新アトラクションを見ると、中身はどうやら全く異なるものの様ですが、この気象コントロールセンターや、エリアのお祝いムードは、一体どうなってしまうのでしょうか?

(2)あれもこれも不要になってしまう!?

冒頭で紹介した記事『【TDS】実はこんなにおもしろい!「ストームライダー」を10倍楽しむための徹底ガイド』では、ストームライダーの夜間誘導灯について紹介しています。

もし『ストームライダー』が無くなるなら、こちらも全く不要になってしまうと言うことになりますよね。

天候条件が良ければ、東京ディズニーランドからも見える、この光のライン。こちらも消えてしまうのでしょうか。

また意外な所では、ホテルミラコスタのロビー天井に飾られている、ポートディスカバリーの絵の中にも、実はストームライダーが二機描かれているのです。

わざわざ消すことまではしないとは思いますが、それほどエリアのメインアトラクションとも言えるストームライダー。この辺はどうなるのでしょうか。

(3)「アクアトピア」のストーリーも変更!?

このエリアのもう一つの人気アトラクションである「アクアトピア」。

滝や噴水、うずまきなどが見られますが、これは、新しい航海システムをテストするために造られたものなのです。

普段は研究中のウォーターヴィーグルが、フェスティバルで一般公開されている、というストーリー。

もし「ストームライダー」の存在自体がなくなってしまうのであれば、この辺の物語の整合性はどうなるのか気になります。

(4)キャプテンデイビス達はどこへ?

「ストームライダー」の主役でもある、キャプテンデイビス、そしてキャプテンスコットや、総司令官のベース達は、アトラクションの物語を担う、重要な人物です。

また、この研究所(「ストームライダー」の建物)正面にある巨大スクリーンの下の方には、ちゃんとポートディスカバリーの存在も描かれており、彼らはこのエリアの重要な位置づけの人物であることは間違いありません。

ひょっとしたら、新しいポートディスカバリーは、更なる未来の物語に?

しかし、と言う事は、ストームライダー計画はすでに大成功し、もう彼らはリストラされてしまうのでしょうか?

問題2 “レトロフューチャー” の空想の世界はどうなる?

様々な世界が存在するディズニーリゾートの各テーマポートやテーマエリア。「夢」や「魔法」、そして「現実」や「非現実」と様々な個性を持ったエリアが多く存在します。

ただ、ポートディスカバリーは、実はちょっと特殊。「未来」でありながらも、実は「レトロフューチャー」と言う、「懐古(レトロ)的な未来(フュー チャー)」なのです。

わかりやすく言えば、このエリアは「100年前のアメリカの人たちが想像した、100年後の未来の世界」と言う位置づけ。

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「空想の世界」であるからこそ、未来でありながらも、東京ディズニーランドのトゥモローランドとは全く異なる、独特の神秘的で個性的なエリアとなっていました。

が、こうした世界観の中に、存在感が明確な映画のキャラクターが登場すると言うのは、どんな背景になるのでしょうか。

「時空を超えた未来のマリーナ」ではなくなるかも

ポートディスカバリーのエリアコンセプトは「時空を超えた未来のマリーナ」。

例えば、アメリカンウォーターフロントが1912年のニューヨークほか、ロストリバーデルタが1930年代後半の中央アメリカ……などの様に、ある程度明確な時代設定があるのに対し、ポートディスカバリーには、具体的な年代がありません。

ところが、映画『ファインディング・ニモ』は、現代社会のお話。ニモたちキャラクターが現れると言う事は、ポートディスカバリーは、「未来」と言う概念がなくなる可能性も……?

問題3「タートルトーク」と、どう折り合いをつける?

また、大きく気になるのは、ご承知の通り、既にアメリカンウォーターフロントのエリアには「タートルトーク」があり、映画『ファインディング・ニモ』に登場する、亀のクラッシュが大活躍中です。

ポートディスカバリーの新アトラクションは、『ファインディング・ドリー(原題)』(2016年公開予定)も題材となっているとはいえ、異なるエリアに、同じ映画シリーズのキャラクターがバラバラに存在すると言うのは、せっかくのこだわりある世界観が崩れてしまう気がするのですが、この辺もどう整理してくるのか興味深い所ですね。

しかし、それを言うならば「トイ・ストーリー・マニア!」も、1912年(アメリカンウォーターフロントの主な時代設定)に、『トイ・ストーリー』のおもちゃ達がいるのも、おかしな話ではあるのですが……。

問題4 不人気アトラクションは入れ替えていく傾向が加速?

「ストームライダー」は、ファストパス対応アトラクションでありますが、122人乗りのライドを、二台ほぼ同時に稼動させることができるため、非常に回転率が高く、待ち時間も少ないアトラクションでもあります。

そのため、混雑時でもそれほど長い待ち時間になる事は少ない特徴もあります。

しかしながら今回、まさかの刷新対象に……。

イメージ的には、そんなに閑散としているアトラクションでは無かった様にも思えますが。

これは想像でしかありませんが、こうした不人気(とまでは言えないと思いますが)アトラクションの入れ替えがどんどん進んでいくと言う傾向があるのかもしれない心配があります。

もちろん、これはごく当然の事であるとは思います。

ただ、いわゆるエリアのメインコンセプトが大きく変わってしまう様な変化については、せっかく建設当初に細かく張り巡らされたこだわりのバックグラウンドストーリーの整合性が取れなくなってきてしまう可能性が、ちょっと心配ではありますよね。

東京ディズニーシー全体の世界観はどうなっていく?

これまで大人向けのコンセプトで進められてきた東京ディズニーシー

大きな棲み分けとしては「東京ディズニーランドはキャラクターを中心とした賑やかな世界」、そして「東京ディズニーシーは美しい風景や料理な等、現実世界をモチーフとした大人向けのパーク」と言うイメージがありました。

が、近年は、ディズニーシーにおいてもファミリーエンターテイメントの充実と言うキーワードが目立ってきています。

時代の流れもありますし、許容すべき範囲であるのは理解はしていますが、既に発表されている第8テーマポートでは、映画『アナと雪の女王』の要素を含めた、北欧の世界が展開されることが発表されています。

アメリカンウォーターフロントには既に『トイ・ストーリー』の世界、『ファインディング・ニモ』の世界が。

さらに、これまでも、そしてこれからもキャラクター色とは無関係であった様に思えるポートディスカバリーにも、映画のキャラクターが登場する事になりました。

もちろん様々な考察や検討が加えられた上でこうした発表になってきているのだとは思います。

が、これまで「キャラクターを中心としてきたディズニーランド」と「大人向けの個性的なディズニーシー」それぞれのパークの個性が、どの様に変化していくのか、期待したい……反面、ちょっと不安と言える部分もありますよね。

東京ディズニーシー開園当初からあるアトラクションでは、「マーメイドラグーンシアター」や「ハンガーステージ」が既にリニューアル対象になっておりますが、ショーアトラクション以外で、現存するアトラクションに大幅な改修が加えられるのは、東京ディズニーシーではほぼ初めてのケースとなります。

もちろんそれだけ期待値も高まるところではありますが、近年は東京ディズニーシーのイメージを大きく変えてしまう様な新コンテンツの導入が行われている気がいたします。

現在はまだ詳細が発表になってはおりませんが、間もなくディズニーシー15周年が発表になる頃だと思います。

そんな15周年の歴史の訪れとともに、あと約1年で姿を消してしまう「ストームライダー」。

ハチャメチャだけど、意外としっかり仕事をこなすキャプテンデイビスの活躍を今のうちに見ておきたいところですね。

あ、そうそう、見に行く時は「おやつのピーナツ」を忘れずに……ですね。