EXILEと三代目J Soul Brothers、そして劇団EXILEのメンバーたちがメインキャストとして出演する『ワイルド・ヒーローズ』は、日本テレビの日曜夜10時30分という新しいドラマ枠で始まった作品です。視聴率は初回が9.7%、2回目で10%を超え、その後も8.4%、9.2%と新しい枠のドラマとしては、まずまずの成績を残しています。

4話目ですでにヘビーな展開に!

さて、このドラマの特徴をざっと説明すると、物語はヤクザに追われているとある少女、日花里をTAKAHIRO演じる元ヤンのキー坊こと希一とその仲間が助けるというものになっています。最初は、「ぬるめの人情ものなんでしょ」なんて思っていたら、設定はなにげにヘビーです。

単に少女・日花里とTAKAHIROの交流が中心でもなく、希一は少女を通して見える巨悪に対して戦っていると見たほうがしっくりくる展開です。しかも、少女・日花里は、人の良い先生・さわこに預けられたかと思いきや、さわこは日花里を監禁状態に。また、希一たちの面倒を見てきた刑事の赤城(内藤剛志)は3話目で殺されてしまうし、こうしたヘビーな展開が4話の中ですでに描かれているのです。

岩田剛典が不倫の役に挑戦

ヤンキーグループの「風愛友」(フー・アー・ユー)のメンバーの恋愛模様もなかなか複雑。 劇団EXILEの八木将康演じる神部剛、通称ピーちゃんの妻は、浪費癖のある女性だし、EXILE/三代目J Soul Brothersのメンバーの岩田剛典演じる佐伯春太郎がつきあっているのは、酒井美紀演じる人妻の志保。つまり不倫関係なのです。

フジテレビのドラマ『ディア・シスター』で石原さとみ演じるヒロインにピュアに恋する役を演じたがんちゃんの不倫には賛否両論、「がんちゃんが不倫する役なんてショック!」という声もあるそうです。しかも、不倫関係のふたりが会うのはいつもラブホテル。このホテルでのシーンがお約束のように毎回挿入されるため、ファンは悲鳴をあげつつもドキドキせずにはいられないという二重拘束状態に陥っているようです。

TAKAHIROがうだつのあがらない営業マンに

そんな中、主演のTAKAHIROはというと、うだつのあがらない医療機器メーカーの営業という役を演じています。正義感もあり、少女を助け出す、その名の通りヒーローなのですがが、どこか気の良さが感じられるキャラクターになっています。

例えば、先生と名乗り、日花里を監禁する女・さわこは自分の息子を使って日花里を殺そうとする非情な人物。でも、そんなさわこにも「子どもは母ちゃんが大好きなんだよ、ただ喜ばせたくて……」と正論と人情で説こうとするのが希一なのです。個人的にはTAKAHIROの口調にはちょっとだけ九州訛りが感じられ、そんなところも希一の純朴なキャラクターを強めている気もします。

西部劇風のストレートな悪者退治

そのほか、このドラマの音楽は西部劇風なものになっていて、ドラマ全体にも西部劇の香りがします。西部劇といえば、善良だけれど決してメインストリームを歩いているわけではない主人公たちが、敵役の理不尽さに追いつめられるだけ追いつめられて、そして満を持して立ち向かう姿にカタルシスを得られるようになっています。このドラマもまた、いまだ全貌がつかめていない不気味な悪者のやり方をストレートに描くことで、TAKAHIROたちがメンバーの「風愛友」に視聴者が共感できるようになっているのかもしれないと思いました。

昨今は、悪者にも悪者の倫理があるというものが多く、悪者を悪者と描くドラマは少なくなっていますが(もちろん、このドラマでも悪者の倫理もこの先出てくるかもしれませんが)、現時点では、この西部劇的な善悪のはっきりしたつくりが、最初はアンチ気味で見ている人でもけっこうハマってしまう要因になっているのではないでしょうか。

(西森路代)