[練習試合]「宿題」と向き合ったU-15代表候補、流経大柏と白熱の大激戦

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[5.17 練習試合 U-15日本代表候補 3-4 流通経済大柏高 帝京平成大千葉キャンパス人工芝G]

 U-15日本代表候補は17日、午前中の市立船橋高戦に続き、午後に流通経済大柏高とトレーニングマッチを実施した。

 0-5というスコアに加えて内容的にも観るべきものに乏しい試合をしてしまった市立船橋戦を受けてのこの試合。「もっとコミュニケーションを取らないといけなかった」(FW中村敬斗、三菱養和SC巣鴨ジュニアユース)、「背後への動きを増やして代表に残りたいという気持ちを出す」(FW兵藤健斗、大垣市立南中)、「中盤で軽いプレーばかりだった。100パーセントを出せていなかった」(MF山崎大地、広島ジュニアユース)と、それぞれが自分の課題を再認識した上で、この一戦に臨んだ。

 立ち上がりからチームの放つ空気感が違った。まずアクティブに試合へ入ろうという姿勢をそれぞれが見せる。7分にスキをつかれる形で流経大柏FW古谷三国に見事なループシュートを決められてしまったものの、市立船橋戦のように心理面で乱れて連続失点を喫するような事態にはならない。ピッチから聞こえてくる声の絶対量も、確実に増えていた。

 そして前線から連動してボールを追い込み、最後は個人の決断から思い切って奪いに行くという練習からやって来た守りを実践。午前中の試合では能動的にボールを奪うシーンがほとんど見られなかったが、この流経戦はここが決定的に違っていた。ガツガツとボールを奪いにトライするシーンがしばしば見られ、相手のドリブルに対しても必死で食らい付くプレーが頻発。試合の主導権を渡さない。

 そして19分、MF森田晃樹(東京Vジュニアユース)がインターセプトからスルーパスを通すと、このボールを受けた中村がGKとの1対1を冷静に決めて、同点に追い付いてみせた。2トップの片方が落ちて、片方が抜け出すという連係も含めて、合宿の成果と午前中の反省を踏まえたファインゴールだった。

 ただ、流経もさすがに強い。この日はレギュラーに準じるクラスの選手たちが中心だったが、攻めに掛かったときの迫力は十分。25分には右クロスに対して古谷がダイビングヘッドで完璧に合わせ、U-15代表を再び突き放した。さらに後半9分、FKからMF中村翼が決めて点差を広げる。

 ただ、ここから試合はむしろヒートアップしていく。ベンチから「まだ終わってねーぞ!」との声がピッチに響くと、直後の11分にMF江川慶城(京都U-15)のスルーパスからFW山田寛人(C大阪U-18)が抜け出して1点差に迫るゴールが生まれる。その後は一進一退。中学生離れしたフィジカルを誇る山崎と江川の両ボランチが中盤で格闘戦を挑めば、小柄な技巧派の森田が工夫を凝らして攻めの糸口を探り、前線では山田と兵藤が果敢にチャレンジのプレーを繰り返す。守備陣は当たりに行きすぎて裏目に出るシーンもあったが、それでもこの相手に引かないという気概を示して、互角以上の攻防に持ち込んだ。

 38分にまたしてもCKから失点してしまったが、試合の流れは傾かない。負けているチームが気力を振り絞って前へ出続けるというゲームの空気感は、まさに“森山色”。後半41分、DF東城雅也(青森山田高)のFKに兵藤が合わせて1点を返すと、ここからは完全にU-15代表ペース。最後まで果敢に攻め続けたが、アディショナルタイムに森田のクロスに山田が合わせたシュートは惜しくも枠外へ。あと一歩及ばず、3-4での惜敗となった。

 試合後、森山佳郎監督は「いいインターセプトからいい攻めを出すということもできた」と試合内容を評価。その上で、「午前中は市立船橋の選手の声しか聞こえなかったけれど、午後は違ったよね。一人ひとりが課題に向き合って自分でトライしてくれてもいた」と選手たちの変化に一定の手応えを得た様子だった。

[写真]流経大柏と大激戦を演じたU-15代表候補。MF鬼京大翔(右)は所属する流経大柏の先輩たちとの戦いに

(取材・文 川端暁彦)