ゴールデンウィークあたりから日本列島の気温はぐんぐんと上昇している。「冷やし中華はじめました。」という告知が飲食店に貼られてもおかしくない。

そんな2015年5月中旬の東京で、冷やし中華ならぬ冷やしコタツのサービスを始めた店がある。池袋にある「天狼院書店」(豊島区南池袋)だ。


書店近くの大学に通う若者がコタツでまったり(編集部撮影)

場所は池袋南口のジュンク堂書店のすぐ横にある「東通り」を450メートルほど奥に進んだ右手にある。建物の1階はそば屋だ。


立て看板が目印

店内は和モダンカフェのような雰囲気で、まったりした時間が流れている。陳列されているのは全て新品だ。話題の本から専門書、文庫、コミック、写真集、雑誌とジャンルは幅広い。


入口からみた店内の様子

店長のひらめきで生まれたコタツ

取材に対応してくれた店員の山中さんによると、畳の上にコタツを置くようになったのは昨年9月のこと。
「コタツないんですか?」と尋ねる客が相次いだところから、店主の三浦さんが導入を決めた。
ところがフタを開けてみると、最初のうち使う人はそれほど多くなかったという。

そんなある日、店にテレビ取材が入ることに。そのままじゃちょっと寂しいということで、取材スタッフが来る30分前、カウンターにあったサーキュレーターを入れてみた。すると......、

「なんかこれ、涼しくていい感じだぞ!」

と予想外の冷却効果にビックリ。冷やしコタツを始めることになった。

せっかくなので筆者も試してみた。
室内でサーキュレーターを回すよりも冷却効果が高い印象を受ける。風が拡散することなく、ピンポイントで足に当たるからだろう。



冷やしコタツの冷却装置

コタツに座っていた男子学生に感想を求めたところ、「いいですね〜」と満足げな様子。スイッチのオン・オフや風量の調節は客の好みに合わせてくれる。

冬の間は通常のコタツとして使用され、多くの客が暖をとった。店内は別にエアコンがあり、室内温度は適宜調整されている。

読書好きのためのイベントも多数開催

店内にはカウンター席やテーブル席、お一人様席、ソファが何点か置かれている。
ワンドリンク360円以上を注文すれば何時間店内にいても追い出されることはなく、電源とWi-Fiが無料で使える。持ち込んだノートPCで作業などをしても構わない。
「書店であり、喫茶店でもある」というわけだ。


ソフトドリンクや淹れたてコーヒーを用意。菓子類もある。アルコールは夜限定。

書棚には個性豊かな本が並ぶ。ビジネス書・雑誌、・文庫といった定番コーナーをはじめ、「はじめての読書体験」「秘本」「京都VS東京」「女子エロ」など、エッジの効いたコーナーもある。


「天狼院BOX」は、同店で一定金額以上購入したお得意様が、1棚の範囲で選書できるコーナーだ。使用期間は1カ月で、POPなどで飾り付けてもよい。
自分の目利きが読書好きにどれだけ受け入れられるか、試してみたい人におすすめ。


左壁の棚が「天狼院BOX」。

店内はイベントスペースとしても活用されている。読書会やトークショー、ワークショップなどが頻繁に催されている。

部活動なるものも存在する。フォト部、雑誌編集部、デザイン部、英語部、落語部、旅部と魅力的な倶楽部が続々と発足している。


イベント告知の黒板(天狼院書院フェイスブックページより)

注目は何といっても「劇団天狼院」。まるでEXILEみたいだ。旗揚げ公演かたった4カ月でチケット実売が70から605にまで増やしたという。

営業時間は10時から22時で年中無休。30人でいっぱいになるほどの店舗面積だが、そこには活気が満ち溢れている。