【予想スタメン】勝利のカギは制空権…鳥栖のエース豊田と名古屋DF陣の空中戦が大きなポイントに

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■名古屋グランパス 予想外の負傷者続出で不安が募る

 4月18日から始まった週2回で試合をこなす7連戦もようやく終わり、指揮官も選手もようやく一息ついて臨む鳥栖戦。西野朗監督も「整理はできた」と久々の週1回ペースの試合を歓迎したが、休息は束の間。リーグ戦で連敗している現状を思えば、うかうかしてなどいられない。

 川崎戦で負傷交代したノヴァコヴィッチもオフ明けの練習に限定的ながら参加しており、今節の鳥栖戦出場に問題はなさそう。しかしながらチームは想定外の負傷者に頭を悩ませている。西野監督が復帰を期待していた本多勇喜とダニルソンが、オフ明けの練習で別メニュー調整となり、鳥栖戦でのメンバー入りは難しい見込み。さらに川崎戦のハーフタイムで高木義成が負傷していたことが判明し、控えGKには西村弘司か野村政孝が入ることになった。計算できる控え選手としても、ベンチメンバーたちのモチベータ―としても有能だったベテランの欠場は、チームに確実なダメージを与える。

 また、前節ではノヴァコヴィッチが1トップを務め、川又堅碁がシャドーに入る形が試されたが、機能しているとは言い難かった。このあたりの選手起用、配置の決断はゲームを左右する要素になってくるだろう。西野監督のチョイスはこの試合最初の注目点となる。その後のゲームの流れは、豊田陽平vs名古屋DF陣の空中戦の成否が最大のポイント。制空権を握ったチームが、主導権を握ることになる。(今井雄一朗)

■名古屋予想スタメン
3-4-2-1
GK
楢崎正剛
DF
竹内彬
田中マルクス闘莉王
牟田雄祐
MF
矢野貴章
矢田旭
磯村亮太
永井謙佑
松田力
小川佳純
FW
川又堅碁

■サガン鳥栖 代表合宿と古巣との対戦で豊田のモチベーションは十分

 前節の松本戦は後半に多くのチャンスを作りながらも決定力を欠き、ルーキー鎌田大地のプロ初ゴールのみで引き分けに終わった。その反省から、キャプテンの藤田直之はこの試合に向けて、「今までやってきたように自分たちの走り負けないところだったり、球際だったり、攻守の切り替えを意識することが大事になる」と話した。そして「プラス、しっかりと決定機を決める」と前節の決定機に決められなかった自らの反省も込めて付け加えた。

 鳥栖の対名古屋戦成績は2勝1分4敗(ナビスコ杯含む)。一昨年までは名古屋に勝てなかったが、昨季のリーグ戦で2勝したことで苦手意識を払拭した。

 鳥栖は公式戦6試合連続失点中で未勝利と自慢の堅守が機能していない。しかし、2試合連続でビハインドから追い付くという持ち前の粘り強さは発揮している。両チームとも高さがあり、セットプレーを武器としている点は似ているだけに、いかにセットプレーをゴールにつなげ、自陣のゴール近くで不用意なファウルをしないかがポイント。球際での激しい守備から素早い攻撃につなげるという鳥栖のスタイルを出すためには、コンパクトな陣形を保ったまま、前線からのプレスと引いてブロックを作る守備の使い分けが求められる。

 もちろん、日本代表候補合宿参加後に古巣との対戦でモチベーションを上げている豊田陽平の活躍も鳥栖には不可欠だ。(荒木英喜)

■鳥栖予想スタメン
4-2-3-1
Gk
赤星拓
DF
丹羽竜平
菊地直哉
キム・ミンヒョク
吉田豊
MF
谷口博之
藤田直之
水沼宏太
池田圭
キム・ミヌ
FW
豊田陽平