ハリルホジッチ監督(左)からトップ下で攻撃に関わるプレーを求められている柴崎。その要求に対し覚悟と自信を示す。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 リーグ戦の合間を縫って、二日間に渡って行なわれた代表候補合宿。3月シリーズに続き、ハリルホジッチ体制下で二度目の招集を受けた柴崎岳は、今合宿をこう振り返る。

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「(前回の合宿と)やり方は劇的には変わらなかったですけど、監督の要求することはある程度吸収できた。大事なのは今回学んだことをチームに持ち帰ってどれだけできるか。それを上手く活かせられれば、以前からどう変わったかも段々と見えてくるんじゃないですかね」
 
 飄々と言ってのけるその姿からは、代表選手としての“風格”さえも漂う。5月13日に公開されたトレーニングでは、プレッシャーを受けても的確なパスやトラップで難なくボールをさばくなど、随所で“らしさ”を発揮。トレーニング内容の意図を汲み、落ち着き払って淡々とこなすプレーぶりには、頼もしさも感じられる。
 
 そんな柴崎を、ハリルホジッチ監督は鹿島でプレーしているボランチではなく、トップ下で起用する意向のようだ。もちろん、ボランチでの起用がまったくないわけではないだろうが、実際に3月のウズベキスタン戦(○5-1)でも後半途中から出場し、同ポジションでプレー。そこには、攻守の素早い切り替えや球際の強さを活かした激しい守備が求められるボランチよりも、トップ下で攻撃面での良さを存分に示してもらいたいとの意図が透けて見える。
 
 この要求に対して、当の柴崎は「ボランチにこだわっているわけではない。もともとひとつ前でもプレーできるタイプですし、そこでチャンスに絡めればと思っている」と、前向きな姿勢を見せる。直近のリーグ戦(対FC東京戦)でも、後半途中からトップ下でプレー。ポスト直撃の惜しいシュートを放つなど、攻撃面で存在感を示している。
 
 2日間と限られた今回の短期合宿では、「より良く選手を知ることと、私のフットボールのメッセージを伝えること」(ハリルホジッチ監督)に時間を費やしつつ、非公開で紅白戦も行なわれたという。柴崎がどのようなプレーを見せたかは定かではないが、その口調には確かな自信も垣間見えた。
 
「攻撃的な位置でも十分プレーできると思っているので、与えられたポジションでしっかり自分の特長を出せるようにしたい」
 
 トップ下は、香川真司(ドルトムント)や清武弘嗣(ハノーファー)ら有能なアタッカーが集う、いわば“激戦区”。激しい競争に打ち勝つのは並大抵のことではないが、トップ下で信頼を勝ち取れるだけの可能性を秘めているのも確かだろう。
 
取材・文●橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)