イチャイチャだけじゃない!? テレビ業界で働く男たちの姿にキュン♪
 どうもこんにちは。ゲイライターの渋谷アシルです。

 生粋のBLフリークであるぼくが、イチオシの作品を紹介する本企画。今回は、「お仕事BL」をお届けします。

◆テレビ業界で奮闘する男たちの、泥臭い恋と青春模様!

 2014年度版の「このBLがやばい!」大賞(宙出版)で第1位に輝いた、『東京心中』(トウテムポール)。この作品は紛れも無いBLですが、それ以上にテレビ業界で奮闘する男子たちの姿を描いた「お仕事マンガ」でもあります。

 BLというと、いわゆる“惚れた腫れた”の顛末ばかりを描いていると思われがち。でも、この作品はどちらかというと、「諦めきれない夢に向う気持ち」「仕事での達成感」などに比重が置かれていて、そのなかで男性同士の恋愛がスパイス的に描かれています。

 上述した通り、物語の舞台となるのはテレビ業界。そこで働く新米ADの宮坂絢と先輩ディレクター・矢野聖司の恋愛を軸に、モノづくりに邁進する男たちの青春模様が展開されます。

◆シゴきシゴかれる愛に萌える

 テレビ業界は大変厳しい世界。たいした夢も希望も持っていないイマドキの若者である宮坂は、その過酷さになんども打ちのめされそうになります。それでも宮坂が逃げ出さないのは、矢野に認めてもらいたいから。褒めてもらえるなら、鬼のように厳しい矢野のシゴキも苦ではない。その一心で、ADという仕事に打ち込んでいきます。

 パッと見は、不純な動機の宮坂。もちろん、宮坂自身も、あやふやな気持ちのまま仕事を続けていることに後ろめたさを感じているようです。けれど、“認めてもらいたい”という気持ちは、誰の胸にもあるもの。むしろ、「継続」が苦手な若者が増えている現代において、理由はどうあれ、頑張り続けている宮坂は立派です。その頼りなくもたくましい姿からは、「自分も頑張らなきゃ……!」と勇気がもらえることでしょう。

 矢野自身はどうかというと、これまた“諦めきれない夢”に向かって努力するタイプの人間。「本当は映画が撮りたい」という気持ちをくすぶらせながらも、「いつか本当に撮りたいものに出会えるかもしれない」との思いで、番組制作の仕事に携わっているのです。「やりたいことやってるなら、絶対やめるな」。矢野が宮坂に言い放つこのセリフは、当たり前のようでありながらも、心に響きます。そう、夢を追いかけるって、苦しいことですもんね。

 この作品には、宮坂と矢野がイチャつくシーンがあまり登場しません。そういう意味では、BLが苦手な人にはオススメ。ひたむきに頑張っている男子を追った「お仕事マンガ」として楽しめるでしょう。ちなみに、本シリーズは第4弾まで刊行中。シリーズを追うごとに、二人の恋と仕事模様が濃くなっていくので、目が離せませんよ!

 これまでBL食わず嫌いを貫いてきたみなさま、試しに読んでみてくださいね。

<TEXT/渋谷アシル>

【渋谷アシル プロフィール】
昼間は会社員の仮面をかぶった、謎のゲイライター。これまでお付き合いしてきたオトコをネタに原稿を執筆する、陰険な性格がチャームポイント。オトコに振り回される世の女性のために、ひとり勝手にPCに向かう毎日。