今回の招集メンバーを4−3−3システムに当てはめた映像を使って、ハリルホジッチ監督は選出理由を話していた。 写真:(C)サッカーダイジェスト

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​ 5月11日、霜田技術委員長、U-22日本代表監督の手倉森監督を含む代表スタッフも集められたホテルの一室で、ハリルホジッチ監督が国内合宿を開く意図を説明。今回の招集メンバーをポジションに振り分けた映像を見せつつ、選出理由などについても話した。 <ポジション別に振り分けられた招集メンバー>システムは4-3-3GK権田修一(FC東京)、西川周作(浦和)、東口順昭(G大阪)、六反勇治(仙台)右SB塩谷 司(広島)、丹羽大輝(G大阪)CBの右植田直通(鹿島)、水本裕貴(広島)、岩波拓也(神戸)CBの左森重真人(FC東京)、槙野智章(浦和)、昌子 源(鹿島)左SB太田宏介(FC東京)、藤春廣輝(G大阪)ボランチの右今野泰幸(G大阪)、米本拓司(FC東京)ボランチの左山口 蛍(C大阪)、谷口彰悟(川崎)トップ下柴崎 岳(鹿島)、遠藤 康(鹿島)右ウイング永井謙佑(名古屋)、浅野拓磨(広島)CF杉本健勇(川崎)、川又堅碁(名古屋)、大久保嘉人(川崎)、豊田陽平(鳥栖)左ウイング宇佐美貴史(G大阪)、武藤嘉紀(FC東京) <会見要旨>●合宿を開く意図について「アルジェリア代表を率いた時はミニ合宿が後の成功につながりました。私の下でトレーニングしながら選手たちを観るのと、リーグ戦で観るのとではまるで違います。選手とよりダイレクトに接し、互いをよく知る機会にしたいと考えています。『良いプレーをすればA代表に入れる』というメッセージを伝えたい。今回呼ばなかった小林、興梠、青山など何人かの選手について私は忘れていません。良いプレーをすればかならず招集したいと考えています」 ●GKについて「もうふたり呼ぼうと思いましたが、残念ながら怪我をしてしまいました。GKにはディスカッションのなかでもう少し高いレベルに行けるということを話したい。 ●SBについて「右SBとして塩谷と丹羽を呼びました。普段はCBの彼らが、(日本代表のなかで)不安がある右サイドでどこまでできるか確かめたい。左SBも、太田と藤春がどこまでできるかを確かめるために招集しました。ふたりとも実力があり、守備面でかなり向上できると思います」●CBについて「森重や槙野とはディスカッションする準備ができています。ACLの試合を観て、映像も準備しました。槙野に言うことは20日前から用意しています」 ●中盤について「守備的な選手と攻撃的な選手をそれぞれ選びました。遠藤は右サイドでプレーする試合が多いですが、左足の技術に加え、プレービジョンやパスセンスも素晴らしい。中盤の底や逆サイドなんかでプレーしたらどうなるか、他の面で向上ができるのではないかと思って彼を呼びました」●FWについて「大久保を呼んだ理由は簡単です。Jリーグで2シーズン続けて得点王になっていますし、今シーズンも毎試合のように点を取っています。同じ理由で豊田も呼びました。我々のチームには得点を取る選手が少ないので、大久保が32歳だろうが問題はありません。大久保はフィジカル面での伸びも期待できます。それから、Jリーグで出番に恵まれていない杉本も能力は高いです。彼には勇気を持ってもらいたいと思っています」 
 


●武藤の海外移籍について「チェルシーが彼にどんなオファーをしたかは詳しくは知りません。チェルシーというクラブはまず多くの選手を買って、そのなかの一部を他にレンタルするやり方をしています。武藤のことを考えると、ヨーロッパでプレーできるクラブを探すべきです。彼は能力が高いですが、ヨーロッパのサッカーはまた違うので、それに適応するためにもっと成長しなければいけません。ですので、メンバーに加わって、プレーできるところを選ぶべきです。しかし、それを決めるのは簡単ではないと思うので本人と話がしたいです」 ●欧州視察について「イタリア、ドイツ、イングランド、ベルギーでやっている選手たちに会い、ほぼ全員とディスカッションをしました。個人的な意見も多く話しました。とくに試合に出ていない選手には勇気を与えたいと思いましたし、自分のポジションを取るためにもっとプレーしてくれと伝えました。他にはルーマニアでプレーしている選手、ポルトガルでプレーしている選手の情報も得ました」 ●海外組について「海外組のなかには問題があり、プレーできていない選手もいます。なので、私が提案したいのはもっとプレーできるクラブに行くことです。ただ、 私は別に選手を移籍させるためにここにいるわけではありません。そこは理解していただきたい。ビッグクラブでプレーするということは本当に強くなくてはいけません。そういうところに入るための準備をしなくてはいけないと思います。私ができるのは意見を伝えることだけで、決めるのは選手です。  皆さん、バルセロナ対バイエルンをご覧になられましたか? あの試合は本当にトップレベルの試合でした。戦う意識、アグレッシブさ、戦術を見ましたか? プレースピードもかなり速かった。日本人選手は能力やテクニックはありますが、もっと速く、もっとアグレッシブにプレーしなければいけません。でなければ、あのレベルでやるのは難しいですね。合宿でもそういったことを伝えたいと思います。すでに何人かの選手はそれに気づいて向上していますが」 ●内田について「内田の状態は少し心配です。パリで診察してもらう準備を進めていたのですが、クラブ側が許可してくれませんでした」 取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)