土屋礼央の「ざっくり聞くと」(第5回)〜女の花園!?知られざる宝塚ファンの掟〜
◇「スターは男でも女でもなく『タカラジェンヌ』という生き物」
土屋:普段の生活の中で、宝塚が占める割合ってどれくらいですか? 1年間に何回ぐらい劇場に足を運ぶんですか?
あやか:贔屓(=応援しているタカラジェンヌ)の公演中は、プライベートな時間ってないですね。1つの公演を兵庫県の宝塚大劇場で約1ヶ月、そのあと東京の東京宝塚劇場で約1ヶ月上演するんですが、私の場合は兵庫と東京で合わせて30〜35回くらいでしょうか。まず宝塚の予定を手帳に書き込み、その他のところに宝塚以外のプライベートを入れる感じです。贔屓が出ていない公演も観るので、去年は150回くらい観劇しました。
そらみ:私は、贔屓以外に関してはまばらですねー。でも、兵庫の公演が中心ですが、贔屓の公演はとにかく観ます。仕事が休みの日は全部観劇にあてるので、1公演で20回ぐらいですかね。
土屋:ちなみに年間で宝塚に費やす費用ってどれくらいですか?
そらみ:恐ろしくなるのですがあまり数えたことありませんが、贔屓が出ている場合は最低でも1公演のチケット代に20万円近く使います(笑)。
あやか:8800円のチケット代に回数を掛け算してください(笑)。
土屋:8800円×20回=176000円…。すごい人になるとどのくらいですか。
あやか:兵庫の宝塚と、東京の宝塚で同じ公演を1ヶ月ずつやるので、東西あわせて100公演くらいやってるわけです。すごい人は100公演全部見ます。いつも劇場で会う人っていますから(笑)。
土屋:なるほど、結構ですね…。ちなみにチケット代以外にかかる費用って、グッズとかですか?
あやか:グッズもありますが、劇団の公式グッズが販売されているのはスターさんだけなんです。それよりも重要なのは「お花代」と言いまして、チケットを申し込む時に、チケット1枚につき500〜1000円をプラスして申し込みします。宝塚はお花のプレゼントが禁止されているので、「これでお花を買ってください」という気持ちですね。まあ、ファンクラブに払う手数料みたいな感じでもあります。
そらみ:他には、お茶会(=公演中に開催されるトークショーみたいなもの)とかもあるし。
土屋:すごい人って、トータルでどれぐらい使ってるのですか? 100万単位ですよね…。
そらみ:本当にすごい人はチケット代の他に、それぐらい包みますよね。
あやか:お金は使うシーンはいくらでもあります。お金をもらって困る人はいないので…。
そらみ:ファンクラブの運営費になったりもします。
あやか:あとは、洋服のセンスがイマイチなスターには洋服をプレゼントしたり…。
そらみ:私もあげてました。
土屋:ちょっとディープになってきたので、ちょっと話題を変えます(笑)。すごい事聞きます。ぶっちゃけレズなんですか?
そらみ:(笑)。
あやか:それは、宝塚ファンに特に多いというわけでもなく、普通の世界と同じくらいの割合なんじゃないかと。ただ、女子校のような感覚で、女性に対して「かっこいい」「素敵」って思うことに違和感がなくなる部分はあるかも。
土屋:恋心ではないのですか?
そらみ:んー、それはそうなんですけど。
あやか:どちらかというと、二次元の人に恋してる感じというか…。
そらみ:男性女性とはまた違う生き物という感覚です。
あやか:男でも女でもなく「タカラジェンヌ」という生き物(笑)。
土屋:宝塚を追いかけている間の彼氏とかは「ベツバラ」ですか? 「ベルばら」とかけてみました(笑)
あやか:(笑)別です。でも彼氏より宝塚。
そらみ:別ですねー。でもその期間は、宝塚を取ります。公演中は、彼氏は必要ないです。
あやか:公演がないときに恋人と遊ぶんです。だって彼氏はずっと男ですけど、男役には期限がありますから。男役さんは退団したら女に戻ってしまうので、宝塚で男役をしている間はとにかくずっと見ていたい。なので、宝塚ファンをやめられないんです(笑)。
そらみ:そうです、とにかく見ていたい。