「宮崎初かつおフェア」のポスター

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 前回紹介した「宮崎初かつおフェア」がスタートしたのは2005年。「宮崎初かつおフェア実行委員会」が、“近海かつお漁日本一”を旗印に、カツオ、ひいては宮崎の魚全体の認知度向上、魚価向上に努め、消費・ビジネス拡大をはかることを意図に企画したものだ。

 例年3月から5月までの期間中、宮崎市内を中心に県内外の鮮魚店、大型量販店、飲食店、ホテルなどが参加して、かつおやかつお料理を販売・提供し、旬の美味しさをアピールする。

 それまで、宮崎の水産業に関わる機関で構成される「宮崎のさかなビジネス拡大協議会」(旧いきいき宮崎のさかなブランド確立推進協議会)で積極的にフェアが開催されていたのは、宮崎県が認証したブランド魚「宮崎カンパチ」だった。

「脳からドリルで活き締めにした鮮度の高いカンパチで、確かに美味しいです」

 しかし、宮崎魚市場副社長の下野和文さん(現「宮崎初かつおフェア」実行委員会会長)はカツオのことが気になっていた。

高知の「カツオのたたき」に負けない!
“宮崎ならでは”のカツオ料理とは?

「宮崎のカツオは、(近海かつお一本釣り)漁獲量日本一ですよ。もっと大々的に推したほうがいいんじゃないかと提案したんです」

 かくしてカツオが議題にあがり、県漁連と流通機関が強いタッグを組んだ「宮崎初かつおフェア実行委員会」が発足。宮崎の初カツオ普及を目指すことになった。委員会では県内の鮮魚店や飲食店などに初カツオ料理を販売・提供し、ポスターやのぼりを掲げるフェア加盟店を募集。「宮崎は近海かつお一本釣り日本一!」の掛け声で募ったものの、反応は「だから?」というものだった。

「最初はなかなか加盟店が増えずに大変でした……」と下野さん。いまいちの反応に、委員会では初年度は無料で料理用のカツオを支給する大盤振る舞いで、なんとか約100店舗をかき集めた。しかし、フェアはどうも盛り上がりに欠けていた。

「高知の場合は『カツオのたたき』という明確な食文化がありますが、宮崎の場合、刺身で食べるのがよしとされていました。だから、フェアの柱になるカツオ料理が存在せず、インパクトがなかったんです」。

 そこで委員会では消費者を盛り上げるために、カツオ料理の開発に取り組んだ。カツオカレーをはじめ、カツオと野菜を一緒に食べる「カツオカルパッチョ」はどうかと専用ドレッシングまで開発したが、なかなかコレという料理が出てこない。そんななか、会員から提案されたのがカツオ漁師ならではの食べ方、新鮮なカツオを皮付きのまま強火で炙る「焼っ切り」だった。

 高知の「たたき」と似ているけれど「焼っきり」には宮崎流のこだわりがある。「身全体でなく、皮目だけを炙るので、生の部分が『たたき』より多いため、カツオ本来の持つ美味しさが引き立ちます。青い味わいの初カツオは、焼っ切りがとても合うんですよ」と下野さん。

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