訪日外国人の恩恵を受けそうな銘柄が騒がれ始めたのは昨年。「すでに株価は上がりきったのでは?」との声が出そうだが、まだこれからだという。株式アナリストの本吉亮さんは言う。

「昨年のビザ緩和と免税対象の拡大、円安の進行で“爆買い”に拍車がかかりました。最近の中国株の暴騰で大きな利益を手にした人がいるはず。爆買いは続き、企業業績の向上と株価の伸びが期待できます」

 本吉さんが長い目で注目するのが家電量販店のビックカメラとラオックス、小売のドン・キホーテだ。

 ビックカメラは月間売上高に占める外国人観光客の割合が1割まで達した。ラオックスは中国企業に買収されており、中国人には親しみがあり、心理的なハードルが低い。また、ドン・キホーテは、免税対象商品を拡大し、海外勤務を予定していた外国籍の社員を都内店舗に配置し、需要取り込みを図っているという。

「リッチモンドホテル」を手がけるロイヤルホールディングス、帝国ホテル、日本空港ビルデングなど、ホテル事業を持つ企業も長期的に期待できるという。「ホテルは稼働率と単価が重要。外国人の需要で稼働率が上がっています。稼働率が上がると強気な単価が出せます」(本吉さん)

 リッチモンドホテルと帝国ホテル大阪はともに稼働率が約9割と過去最高を記録している。日本空港ビルデングは昨年開業した「ロイヤルパークホテル ザ 羽田」に期待できるという。

「『純利益前年同期比○%増』といった良いニュースで株価が上がったときに利益をひとまず確定する方法がいいでしょう」(同)

 株価の値動きを重視するテクニカルアナリストで個人投資家の横山利香さんの注目もラオックスとビックカメラだ。

「ラオックスは株価が上昇基調にある良い“チャート”を描いている。ビックカメラは消費増税の影響などで一時的に決算は思ったほど良くなく株価は軟調。8月の株主優待に向けて仕込みどきでしょう」

 女性向けバッグのサマンサタバサ、ドン・キホーテの子会社で決済システムなどを手がけるアクリーティブにも注目する。

「サマンサタバサは外国人以外にも、国内の小中高校生にも人気。バッグの流行が変わってきているので、買い替え需要も期待できる。アクリーティブは高値更新中。売買単価は5万円弱なので、NISAで買ってもいいでしょう」(横山さん)

 投資は自己責任で。

週刊朝日 2015年5月8−15日号