学生の窓口編集部

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エイズウイルスが、ゴリラやチンパンジーから人間にうつったものだと、最近の研究により判明しました。大型類人猿は人間と98%同じDNAを共有しているそうです。カメルーン共和国の森の中で採集されたニシローランドゴリラの糞のサンプルを分析してみたところ、OとPとして知られるHIV-1に似たウィルスが検出されました。

これは、今までの研究の、HIV(ヒト免疫不全ウィルス)とSIV(サル免疫不全ウィルス)の類似性から、『エイズはサルから人間にうつったものではないのか』という推論を決定付ける結果となりました。

エイズウィルスは1980年代初頭に認識されましたが、1908年にカメルーン南東の熱帯雨林が発祥の地ではないかと言われています。『エイズはアフリカの森からどのように始まったのか』の著者である、デービット・クアメン(David Quammen)は、ヒトとチンパンジーの遺伝サンプルを分析し、エイズの歴史を追跡しています。
クアメンは熱帯雨林でハンターが、チンパンジーを虐殺した際にHIVに感染したのであろうと、述べています。そのハンターが、コンゴのレオポルドヴィル(現在のキンシャサ)の街に到達し、おそらくセックスを介して、他の人間にウィルスを感染させ、その後、コンゴの診療所での継続的な皮下注射器の使い回しから、人々に急速に広がっていったのだろうと。

科学者たちは、病気の起源を理解することが、将来の流行のリスクを予測するのに役立つであろうと考えています。この研究は、米国科学アカデミー紀要に掲載されています。

参考:
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2975954/AIDS-passed-humans-gorillas-chimpanzees.html#ixzz3TGSSMzCv