投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の5月6日〜5月7日の動きを振り返りつつ、5月11日〜5月15日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は下落。連休中の海外市場の不安定な流れを受けた東京市場は、主力大型株を中心に売りが先行した。予想を下回るADP雇用報告を受けて週末の雇用統計に対する警戒感が高まった。中国では信用取引に対する規制強化と新規株式公開(IPO)が重石となったほか、欧州ではギリシャ債務問題への警戒やユーロ圏の金利反転をきっかけに下落。とりわけ、連休明けの株式市場を震撼させたのが、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米国株式のバリュエーション(株価評価)はかなり高いと指摘したことであった。

 イエレンFRB議長の発言については、市場による9月の利上げ予想に向かわせている。また、8日発表の雇用統計の結果は、FRBが実際に行動を起こす時期に影響を与える可能性があるだろう。1-3月期の米経済は減速したが、この停滞が一過性のものなのかを見極めることになる。今回の雇用統計が予想を上回るようだと、9月の利上げに対する確度が一段と強まることになりそうだ。2013年のバーナンキ発言をきっかけとした「バーナンキ・ショック」が記憶に新しいだけに、しばらくは米国市場の動向を警戒する必要がありそうだ。

 一方で決算発表が本格化するなか、今週はソフトバンク<9984>のほか、三井住友<8316>、三菱UFJ<8306>などメガバンクや第一生命<8750>、NTT<9432>。また、三菱地所<8802>などの大手不動産など主力企業の決算が予定されている。足元では増配や自社株取得などの発表も目立っており、市場反応も良好である。ファナック<6954>の還元策により、ハードルが上がった感があり、業績に安心感があるものの、よほどのサプライズが求められていた。

 しかし、日経平均が19000円前半まで下げるなど、足元の調整によって値ごろ感が台頭。改めて決算を評価する相場展開が意識されてきている。また、任天堂<7974>のような需給良好の銘柄については、ショートカバーを誘う流れに向かわせやすい。また、クラボウ<3106>など材料系の銘柄には短期筋の資金が集中しやすいだろう。

 その他、経済指標では11日にユーロ圏財務相会合、12日にEU財務相理事会が開催される。13日に3月の国際収支、ユーロ圏1-3月期GDP(域内総生産)速報値、4月の米小売売上高が発表される。その他、15日に日本銀行の黒田東彦総裁が読売国際経済懇話会で講演する。