納税は行政にのみだがファンドでは未上場の法人などに直接資金を投じられる
 ここ数年、人気が一気に高まったふるさと納税だが、それに加えて、新たなご当地応援システムも登場している。それが「ふるさとファンド」だ。いわゆるクラウドファンディングで小口の資金を集めて地域活性につながるプロジェクトに投資する仕組みで、内閣府も普及・促進をバックアップしている。内閣府によれば、その定義は「地域資源の活用・ブランド化を行う事業。そして地域や自治体と調和の図られた小口投資」だという。

 ふるさとファンドを主催するのは、各自治体の法人やNPOなど。現在はクラウドファンディングを募集する各種サイトで、各地の募集案件を見ることができる。

 では、ふるさと納税のように我々がお金を投じるメリットとはなんなのか? ふるさとファンドの種類は大きく「購入型」と「投資型」に分かれるが、ファンドの種類によってメリットが異なるので、それぞれみていこう。

 まずは「購入型」。これは投資に対するリターンを「物品・サービス」で提供するもので、1000円から申し込める。例えば群馬特産のイチゴ農園が行う「朝採り『やよいひめ』を広める」プロジェクト。早朝に収穫したフレッシュな品を全国へ届けるために、LED照明設備の費用を募集。このファンドでは5000円の投資に対して、イチゴ2箱4600円相当を見返りとしてもらえる(現在は募集終了)。実質の寄付金額は400円程度。地域ブランド品の普及に貢献するうえに、ジューシーなイチゴまでもらえるのは魅力的だ。

 とはいえ、この購入型ファンドの場合は配当などがないので“寄付”というほうが正しいようだ。ただ、行政が主宰するファンドの場合は寄付金が税金の控除対象になるので、特産品と合わせればよりメリットも大きくなる。

◆配当金を受けながら特産品ももらえる魅力

 一方の「投資型」は、本来のファンドに近く、集めた資金を運用して配当金がもらえるというもの。投資型ファンドは1口当たりの金額が「購入型」よりも高いが、配当金だけではなく「投資家特典」が付いてくるのも魅力。いわば一般企業の株主になり配当金と優待品を貰えるようなイメージだ。 

 例えば兵庫県の会社が主催する「ハマダセイ 香住ガニファンド」(現在は募集終了)。同社のある兵庫県の香住港で水揚げされる「香住(紅ズワイ)ガニ」は、上品な味わいの逸品だが、足が細く食べづらいため流通量はわずかだとか。そこでカニ殻を食べやすく加工する機材を導入することを決意し、約1500万円を募ることにした。

 このファンドの場合、1口当たり3万1170円と少し高額だが、一口買った時点で1万円相当のカニ詰め合わせセットが特典としてもらえる。さらに事業がうまくいかなくとも配当金は1口当たり最低7556円(年1回)発生。配当金は業績次第で増額されるし、償還期限も設けられているので高利回りも期待できそうだ。

 ただし、注意点はある。配当金の分配は設備投資などが完了してから始まるため、ファンドによっては数年先から始まる場合も。また、業績が伸び悩めば償還金がゼロになることもある(ただし特典品は保証されている)。

 納税とは違い、あくまで投資なのでリスクも確かに存在する。とはいえ、一番の意義は「地域への貢献」。人知れず頑張る地方企業を応援してみてはいかがだろうか。<取材・文/HBO取材班>