還付金、確定申告期間に申告しなくてもお金が戻ってくる?
【税理士・道下知子の税金相談室】
◆確定申告した後に、所得控除ができることを知ったら?

 みなさん、確定申告が終わり、いかがおすごしですか?

 新年度を迎えて突っ走り、ゴールデンウィークで豪遊! あ〜あ、お休み、もう終わっちゃった――なんていうフリーランスの友人が、お仕事再開の準備のために机を整理していたら、なんと3年前の医療費の領収書を発見したそうです。

 しかも、それは入院費用で金額が大きい。もしその年に医療費控除を受けていれば、税金が戻ってきたはず! 税金を払いすぎていたのね……と、肩を落としていました。

 かたやサラリーマンの友人は、お母様が2年前から介護保険法の「要介護」認定を受けていました。しかし、税金のことはよくわからなかったため、障害者控除を受けることができるとは知らず、確定申告もしていませんでした。

 しかし、今年3月の確定申告期限ぎりぎりになって、このワタクシの記事によって、障害者控除を受けられることを知ったそうなんです!

 ただし、障害者控除の適用を受けるためには、「要介護」認定とは別に、市町村に申請して、所得税法上の「“障害者に準ずるもの”としての認定」を受け、更に確定申告書には、認定時に交付される「障害者控除対象者認定書」を添付しなければなりません。

 その手続きにはある程度の期間が必要で、あらあら、確定申告期限をすぎてしまった! 控除を受けたら、税金が還付されたのに……とこちらもがっくりしていました。

 さて、どちらのケースも、もう遅いのでしょうか?

◆確定申告後でも、税金は戻ってくる

 前回までに、確定申告の際につかえる税金の制度のうち、重要なキーとなる「所得控除」という制度につき、ざっとご説明しました。そして、そのうち、皆さんに身近ではあるけれど、見落としがちなものについてみていきました。

 今回は、「確定申告したけれど、過年度の控除分を見落としていた!」「所得控除したかったのだけど、そもそも期限に間に合わなかった……」といったケースについてお話しします。

 では、フリーランスの方のように確定申告をした人、サラリーマンやOLの方のように、会社の源泉徴収&年末調整のみで確定申告をしていない人に分けて、ご説明していきます。

◆確定申告した人は

 確定申告をした人が、確定申告期限を過ぎてから税金の納めすぎに気づいた場合には、「更正の請求」という手続き(具体的には、「所得税の更正の請求書」を税務署に提出)により、納めすぎた税金の還付を受けることができます。

 これは、確定申告期限から原則5年以内に行う必要があります。ただし、これまでは申告期限から1年以内に限られていて、それを過ぎると税務署長への「嘆願」によらざるを得ないということが、長年、問題視されていました。

 この「嘆願」という行為は、まるで江戸時代のお百姓が、お代官様にお願いするのと同じように考えられていたのです。国の主権者はわたしたちなのに、国にお願いするなんて、まったくひどい話です。ですが、めでたく2011年の法改正で、更正の請求の期間は1年から5年に延長されました。

 今回のようなケースの皆さんには、朗報です!

◆確定申告していない人は

 いままで確定申告をしていない人が、税金の納めすぎに気づいた場合には、確定申告をすることにより、納めすぎの税金の還付を受けることができます。

 この申告を「還付申告」といいます。還付申告書は、いわゆる確定申告期間とは関係なく、翌年の1月1日から5年間は提出することができるので、早めに出して、税金が戻ってくることを待ちましょう!

 簡単にまとめると、確定申告している人でも、確定申告していない人でも、税金を納めすぎた場合には、基本的には5年以内に手続きをすれば、税金の還付を受けることが出来るということです。