サティッシュ・バパット社長

写真拡大

高齢化が進むなか、企業経営者もその例外ではなく、事業承継をめぐる問題が注目されている。事業承継とは経営者が、後継者へ事業を引き継ぐことだが、現状は多くの経営者が後継者について考えながらも「相談相手がいない」と悩んでいるという。オランダに本社を持つ法人向け事業保険のエキスパート、エヌエヌ生命は、そんな経営者をサポートしたいと考えている。

国内企業の99%以上が「中小企業」(2012年中小企業庁調べ)。エヌエヌ生命のサティッシュ・バパット社長は、「中小企業は日本のバックボーンで、経済の要です」と語り、中小企業のコンサルタント役としての同社とその代理店の存在を強調する。

「後継者問題」企業の4割が相談相手なし

エヌエヌ生命は来年、日本進出30周年。この3月まで「アイエヌジー生命」だった社名を、本国オランダで親会社が上場したのを機に変更した。日本での「事業承継問題」をめぐり同社が注力するのは、資金面で支える「事業継続保障」だ。

同社が法政大学・坂本光司教授と実施した調査によると、中小企業の約4割が、後継者問題の相談相手を持っていないことがわかった。中小企業経営者の大半が保険契約に加入しているものの、実際に後継者へ事業を引き継ぐために必要な資金を満たす場合は少ない。

エヌエヌ生命では、不測の事態で急に後継者が事業を引き継ぐときの事業継続保障のために、4つの観点から必要な資金を準備しておくことを提案している。

(1)連帯保証人となっている借入金の清算資金
(2)雇用を含め事業を維持・継続していくための事業運転資金
(3)後継者が経営を円滑に行うための自社株の購入資金
(4)社長の家族のための対策資金

自社株については、経営者が死亡し複数の遺族に株が相続されることで、株主が分散して経営基盤が揺らぐ可能性がある。それを防ぐため、あらかじめ自社株を評価し、評価額相当の資金を準備しておく必要があると指摘する。

社長自ら「ニーズを聞き取る」全国行脚

同社では事業承継のニーズだけでなく、財務全般に関わり経営者の良き相談相手となるべく、ケア(Care=配慮)、クリア(Clear=明瞭)、コミット(Commit=責任)からなる「3C」をコアバリュー(中心的価値)に置く。

「お客様のニーズに耳を傾けること(ケア)、サービスやプロセスの透明性(クリア)、長期的視野に立って日本でのビジネスを展開していくこと(コミット)です」

バパット社長の好きな言葉は「一期一会」。2013年の就任以降、全国35の営業拠点を回り、代理店や顧客の声を聞いた。

「Eメールも便利ですが、やはり地域に足を運び、目と目をあわせてニーズを聞き取ることが有用です」

旅先での食事も大切だ。お好み焼きや、ゴーヤーチャンプルー、わんこそば――味覚も活用しながら、社長自らニーズに耳を傾ける。社名こそ変わるが、中小企業との二人三脚は続く。