専門誌では読めない雑学コラム
【木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第2回】

 ゴルフを始めて、はや四半世紀は経ったでしょうか。しかも、毎年50ラウンドをこなして、わかったことがあります。

 それは、若くて、うまいヤツらに、どんどん抜かれていく、ということです。

 石川遼選手が登場したとき(2007年)は、ショックでしたね。15歳(と245日)と、高校に入学したばかり少年が、プロのトーナメントで優勝してしまうんですから。

 彼がゴルフを始めたのは、6歳頃。1997年だったと言います。そのとき、こっちは脂がのった35歳。負けるわけがない。しかし、そんな子どもに数年後には抜かれるって......ショックですよね。

「今までの俺のゴルフって何?」って感じですか。それって、小学生の子どもからカツアゲしたら、それから数年後にお礼参りされて、ボコボコにされるオヤジみたいですね。

 それでも、プロに抜かれるのは仕方がない。アマチュアの世界でがんばればいい。そりゃ、25年もやっていますから、競技会やメディア主催の試合にも出ました。井上誠一という名人が設計した鶴舞カントリー倶楽部(以下、鶴舞CC。千葉県)のメンバーになったのが、15年前くらいで、その頃が一番ゴルフに燃えていた時期です。

 鶴舞CCの競技では、月例杯で優勝。さらにクラブの「四大競技(※)」のひとつ、キャプテン杯でも見事に優勝しました。どデカイ優勝カップに名前が刻まれ、「全英オープンの優勝者の気持ちって、こんな感じかなぁ〜」なんて思ったりしていました。当時、ベストスコアの「75」を達成。まさに"我が世の春"を迎えたのでした。
※各ゴルフコースの会員メンバーで開催される競技大会。各コースで異なるものの、一般的には、キャプテン杯、理事長杯、クラブ選手権、スクラッチ選手権のことを「四大競技」と言う。また、各ゴルフコースには、会員メンバーによって毎月定期的に行なわれる月例競技がある。

 はたしてその後は、どうなったか。仕事柄、いろいろなコースでラウンドすることが増えて、ひとつのコースに集中するのが難しくなりました。

 しかも、燃え尽き症候群というのか、鶴舞CCでプレイする機会がかなり減りましたね。クラブ選手権やスクラッチ選手権といった主要競技は残っていましたが、それらはハンディキャップ(以下、ハンデ※)なしの"ガチンコ勝負"。ハンデ「12」のわが身としては、そこで優勝するなんて、とても無理な注文です。
※技量が異なるプレイヤーが、公平に競え合えるようにするための基準値。例えば、ハンデ「3」の人がパー72のコースを「75」で回ると、パープレイとなる。同様に、ハンデ「12」の人は「84」で回れば、パープレイとなる。

 となると、大きな目標もなくなります。その挙句、たまに目的もなく鶴舞CCに行って、月例競技に出たりすると「95」とか叩いてしまうんです。これはもう、競技会やハンデ、スコアを意識したゴルフは、「1回、休んだほうがいいな」と思いましたね。アマチュアゴルファーとして極めるのも「きついな」と......。

 一般的なアマチュアゴルファーで、モチベーションを上げられる期間は、せいぜい5、6年です。あとは、頭打ち。マンネリになる。

 アマチュアのハンデは「12」くらいから、Aグループという上手なカテゴリーに入って試合をします。相撲で言うところの、前頭筆頭と言ったところでしょうか。それから、ハンデ「11」「10」と減らしていくのが、なかなか難しい。さらに「9」というシングルとなるには、相撲で言えば2場所連続優勝くらい、月例競技で2連勝くらいしないと、行けない"領域"です。

 結局、そこを突き抜けられないので、中だるみとなる。シングルハンデというのが、多くのアマチュアにとって"壁"になる場合が多いです。

 おまけに、以前は所属クラブごとに計算されていたハンデが、JGA(日本ゴルフ協会)ハンデを採用されることになると、「12」あった自分のハンデも「15」に降下。これより下がってしまったら、「恥ずかしくて死にそう」という気持ちになってしまいました。そして、とうとうアマチュアゴルファーとしてがんばることも、「いっそ、辞めてしまえ」ということになったのです。

 その後、今はこうやって"スコアの呪縛"から逃れて、楽しくゴルフをさせてもらっています。おおよそレギュラーティーからプレイするので、そんなに叩かない。たまに、80台が出ればいい気分です。逆に、レギュラーティーからやって「100」とか叩くと、さすがにへこみます。そのときは、練習して調整したりしています。

 そんなわけで、今は平均スコア「90」ちょっとといったところでしょうか。でも、楽しいゴルフ人生です。

 そこでたどり着いた、ゴルフ場での楽しさとは何か? 自分なりの、順位を発表したいと思います。

 1位は、なんと言っても、食事とお酒です。最近のゴルフ場は、どこも企業努力して、食事が美味しいですから、それが楽しみ。たまにバイキング形式だったりすると、ワクワクしちゃいます。

 2位は、お風呂。そして3位が、コンペの表彰式か、プレイ後の宴会。俗に言う"19番ホール"というやつです。

 4位は、ニアピンを取ったとか、ナイスショットの思い出。最後の5番目がスコアです。

 どうです? こうやってスコアを5番目に持っていくと、ゴルフが実に楽しいこと。ストレスが溜まらず、健康にも、精神衛生上にも、すごくいいですよ。

【プロフィール】
■木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa