「1回1000円しゃりーん」これぞ次世代のスリ!?電子マネースリの仕組みとそれを防ぐ方法

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スマホに搭載されている便利機能のひとつに電子マネーがある。
チャージさえしておけば、残高があるかぎり、いつでも好きなときにスマホをかざすだけでジュースや商品を買う、電車に乗るといったショッピング(小額決済)できる。
まさにコインレス、キャッシュレスで、小銭を出し入れする面倒から開放される便利な機能だ。

だが、この便利な電子マネーに目を付けた犯罪「電子マネースリ」があるのを知っているだろうか。

●新手のスリ「電子マネースリ」とは
スリといえば、ドラマや時代劇でもお馴染みの、「ちょっとすいませんよ」と懐から財布を抜き取るアレである。
また近年では、バッグの底を切り裂くなど、悪質なスリの手口や集団スリなども報告されている。

しかしながら、「電子マネースリ」は、
・被害者に直接触れない
・被害にあったことがわかりにくい

といった、これまでのスリとは違う特徴がある。

その手口はこうだ。
・犯人は、小型パソコンと、電子マネー読み取り機(フェリカリーダーなど)を用意
・パソコンはバッグなどに隠し、電子マネー読み取り機は腕などに固定する
パソコンと電子マネー読み取り機はUSBケーブルで接続してある
・パソコンで小額決済の準備をして、被害者のスマホに向かって電子マネー読み取り機をかざす

この方法だけで、被害者のおサイフケータイ電子マネーカードから小額を盗み取るのだ。

この犯行は、1回の被害が1000円程度のため、被害者も気づきにくいという。
抜き取った電子マネーを換金する方法は、
・ネットショッピングなどに犯人自身が商品を出品する
・商品代金を抜き取った電子マネーで決済して自分に入金させる
といった手法が多いそうだ。
また、電子マネー読み取り機の感度を上げる改造をして、約10cm離れた場所からでも電子スリができるケースもあるという。

パスワードの入力や確認いらずで、かざすだけで決済できるおサイフケータイ電子マネーカードの利便性を逆手にとった悪質な犯行なのだ。

●「電子マネースリ」に合わないようにする3つの方法
身体に触れず、ほんの一瞬で電子マネーを抜き取る 電子時代の犯罪とも言える「電子マネースリ」。
被害に合わない方法は、以下の3つの方法で、電子マネースリの被害や危険を防ぐことができる。

おサイフケータイロック
これはおサイフケータイ対応スマホに搭載されている機能で、使わないときはおサイフケータイ機能をロックする機能だ。
ロックしておけば、万が一、「電子マネースリ」を仕掛けられても決済されない。
この方法ではおサイフケータイを使うたびにロック解除が必要となってしまう不便さもあるが、スマホを紛失してしまった場合にも電子マネーを使われる被害も防げるため、頻繁にスマホで電子マネーを使わない人は、できるだけ利用したほうが良いだろう。


紛失時にも安心できる「おサイフケータイロック」は手間だがおすすめだ


・スキミング防止用ケータイポーチ
ネット通販などで「スキミング防止ポーチ」を検索すれば見つけられるポーチだ。
主に海外旅行でスキミングされないよう作られた製品である。
このポーチの中にスマホや電子マネーカードを入れておくと、外部から電子マネーの決済ができなくなる。

・電磁波遮断カード、またはシール
電子マネーで利用される電磁波を遮断させるカードやシール。
特にカードタイプでは、自分で使いたいときにカードを外すだけで決済できるため、利便性を損なわないメリットもある。

以上の方法を駆使(くし)することで、「電子マネースリ」に合うことも無くなるだろう。


布施 繁樹