鮮やかな「街路樹マップ」が、ニューヨークの生態系を救う

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ブルックリン在住のウェブ開発者、ジル・ハブリーが製作した「街路樹マップ」。この地図からわかるのは、樹木の分布だけではない。ニューヨークが抱える生態系上の問題も、これさえあれば一目瞭然だ。

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マンハッタンの街路樹が、都市環境において担っている役割は大きい。普段は高層ビルの陰にひっそりと立っている街路樹も、日々街に酸素を供給し、野生動物に住み場所を与え、雨水の流路と流量を調整しているのだ。

ブルックリン在住のウェブ開発者ジル・ハブリーが完成させたのは、ニューヨーク市内の52種、59万2,130本にもおよぶこれらの街路樹を、ピンポイントでマッピングしたものだ。地図は、樹木たちがニューヨークの街中に描く独特なパターンを、鮮やかに浮かび上がらせている。

この地図が示すもののなかには、どこの地区に樹が多いとか、この種類の樹はどこに密集しているといった、味気ないデータもある。しかしもっとよく見てみると、いくつか気になる傾向も読み取ることができる。

「街路樹マップ」から見える生態系

植物相の均一化を避けるために、公園局はかつて、市全域に次々と外来種を植樹した。しかし、こうした樹木は周辺地域に悪影響を及ぼすこともある。例えば、中国産の外来種であるマメナシは悪臭の原因になるだけでなく、強風や大雪のときに、枝が折れたり倒れたりしやすい。サンディのような大型ハリケーンが来ることを考えると、マメナシをニューヨーク市内にこれほどたくさん植えておくのは危険なのだ。

“ニューヨークの木”として思い浮かぶような、オークやカエデ、ニレに関しても、公園局は北米産ではなくアジア産の品種を選んで植樹してきた。「リストのなかでアジア産ではないオークは1種だけで、それすらヨーロッパ在来のイングリッシュ・オークです」と、デラウェア大学の動物生態学者ダグ・タラミーは言う。

これの何が問題なのだろう? タラミーによれば、在来種の方が人々の暮らしを支える「生態系サーヴィス」の質が高いという。在来種には、川の氾濫防止や送粉者(花粉を運ぶ鳥などの動物)を保護する役割がある。マメナシを含む多くの外来種では昆虫が育たないため、それを餌とする鳥が姿を消せば、生態系も崩壊してしまう。

マメナシは、ニューヨーク全域に植えられている。

生態系を救う方法は簡単だ。アジア産の樹種を、北米産の種で代替すればいい。アキニレはアメリカニレに、イロハモミジやノルウェーカエデはサトウカエデに植え替える。在来種は大きすぎるといった反論はナンセンスだと、タラミーは言う。「小さな在来種を選べばいいだけです。必要なのは、とにかく植樹を始めることです」

すべての在来種を守ることはできないかもしれない。しかし、タラミーをはじめとする多くの人が、樹木の多様性のバランスが回復することを願っている。そしてハブリーの「街路樹マップ」のようなデジタル・ツールは、バランスの崩れを発見し、対策を講じるのをずっと簡単にする。

実現はそう遠くない。ニューヨーク市はこの夏新たに街路樹調査を開始し、来年の秋までにデータを公開する予定だ。そのデータはデジタル・プラットフォーム上で統合され、リアルタイムで更新が可能な「ライヴドキュメント」として機能させる計画が進められている。

新たなデータを見れば、市はこれ以上マメナシが必要でないという判断をすることができるだろう。多くのニューヨーカーも、それには同意するはずだ。もうあの臭いにはうんざりだ、と。

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