韓国語で「友人」のことを「チング」というが、その言葉が持つ意味は日本とは少し異なっているようだ。写真は腕を組んで歩く韓国人男性。

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韓国語で「友人」のことを「チング」というが、その言葉が持つ意味は日本とは少し異なっているようだ。

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韓国でも日本と同様、親しい人同士で食事に行くことがよくあるが、支払いは必ずといっていいほど誰かがまとめて支払う。つまり、「おごり」だ。食事は1回きりではないので、支払いはあうんの呼吸で持ち回りになる。日本では支払ってもらったらお礼の言葉を述べるのが普通だが、韓国では親しい間柄の場合、特に何も言わないことが多い。お礼を言うと、「みずくさいな。お前はまだ俺のことを『チング』と思ってないのか?」と言われる。それぞれ別の料理を頼んでも、「チング」同士ではお互いの料理に当たり前のように箸を伸ばす。

男同士の「チング」の付き合いは、日本人が想像する以上に濃い。中年のおっちゃんたちが街中で少年のように戯れている姿もよく見かける。一度、酒で出来上がった5〜6人のおっちゃんたちが、路上で「カンチョウ」をしながら走り回っている姿を見たことがある。驚きもあったが、大人になってもこのような付き合いができることを少しうらやましくも感じた。以前、韓国の地方議員が米国視察の際、ナイキ本社の銅像でふざけて大ひんしゅくを受けたことがあったが、その姿が目に浮かぶようだった。韓国にいる時と同じように羽目をはずしてしまった結果だ。

日本では女性同士が手を組んだり、つないだりしている姿を見ることは時々ある。しかし、男性同士ではどうだろう?韓国では、男性同士でも「チング」が手をつなぐのは普通だ。私も何度か男の「チング」に手をつながれたことがあるが、なんとも微妙な感じだ。こればかりは、韓国生活が長い私もいまだに慣れない。

■筆者プロフィール:水田尊久
兵庫県出身。2000年に訪韓し、現地企業で勤務した後、2013年に独立。日韓企業協業支援、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動している。