NHK連続テレビ小説「まれ」オリジナルサウンドトラック/ソニー・ミュージックレコーズ
朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土 朝8時〜)、5月2日(土)の30話は、第5週「情熱ミルフィーユ」の締め。
祖父・弥太郎(中村敦夫)に破門された圭太(山崎賢人/大でなく立のほう)のために奔走する希(土屋太鳳)。
「圭太を応援したい。
圭太の夢を ずっと見ていきたい。」と言う希の台詞は、激しい愛の告白(圭太はそこにいませんが)ですよね。
こんなに思われて圭太、幸せ者。一子(清水富美加)とつきあっちゃったのは早計過ぎたんじゃないのと思いますが、若いから仕方ないのかな。
でも、結局、圭太は一子との東京行きをやめて、もう一度、漆職人の夢に挑むことにします。
「圭太は うちと一緒に
逃げようとしてくれたけど
希には
駄目な自分 見せとないんやろね。」
と言う一子。
駄目な面を見せるほうが、すべてをさらけ出しているから、愛があるように思いますが、駄目な面を見せたくないという愛のほうが強いのでしょうか。
う〜〜ん、脚本家・篠崎絵里子(大でなく立のほう)の書く愛は複雑。29話で徹(大泉洋)が安西とあやしい動きをしていてまた一波乱? と思わせて、30話で藍子(常盤貴子)の説明台詞でさくっとその話を解決させてしまう部分とは大違いです。このさっくりパターンは、13話〜14話、一子がモデル事務所に騙された? という流れも同じでした。
夢見てたら騙されたみたいな、よくある安っぽいドラマ展開は、次回に引っ張る餌でしかなく、書くに値しないとばかりのあっさりさです。
反対に執拗に描き続けるのは、希の夢に対する葛藤。
希ががんばった甲斐あって、無気力だった岡野(梶原ひかり)は輪島市移住を決め、「はじめて夢をもつことができました」と言うまでになります。
「何のために仕事してるか」と紺谷課長(板尾創路)に問われていた希は、
「応援するためです。
目の前にある熱い思いを応援していくのが
市役所の仕事なんじゃないかと思いました。」という回答を発見します。
でも、この台詞を語るとき、希は標準語なんですね。
方言と標準語というと、この週、紺谷課長とマキ(中川翔子)による標準語と方言の使い分けが出てきました。だから、希の標準語も気になってしまいます。
さらに、弥太郎の言う「漆は嘘をつく」「見えんでも嘘をちゃついたら駄目や」という言葉を、再び出してきたところにも意味がありそう。
漆やミルフィーユにおける「重ね」は、丁寧に心を込める行為ですが、ときにそれは嘘を上塗りすることになることもある。安西が髪型を変えていたこと、方言の人間が標準語を語ること、駄目な自分を見せないようにすること、でかい夢を語るときだけ生き生きすること、どれも本当の自分に何かを重ねている、最近の言葉でいうと「レイヤー化」です。
漆やミルフィーユを使ってレイヤー化する社会を描こうとしているのでしょうか、「まれ」は!(木俣冬)

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