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 フィリピンで韓国人が襲われる事件が頻発している。韓国外交部の発表によると、韓国人が被害者となった事件は2010年に94件だったが、13年には780件と、8倍以上も増加している。これは、同年に中国で起きた韓国人相手の事件数(598件)を抜いて世界トップとなる。15年に入ってからも事件は多発しており、すでに5人の韓国人が強盗事件などに巻き込まれ死亡した。また、現地でフィリピンのガイドを雇ったところ騙され、そのまま拉致されるケースなども確認されている。

 現在、フィリピン在住の韓国人は約9万人で、また韓国からの年間旅行者は100万人を超える。そもそも人数が多いため、おのずと巻き込まれる事件数も増えているとも考えられるが、理由はそれだけではないらしい。

「フィリピンでは、韓国人は現地の人間よりいい水準の生活をしていると思われている。日本人も中国人もいるのに、どういうわけか韓国人をうまく見分けて犯罪の対象にしているふしがあります」(韓国紙記者)

 加えて、フィリピン在住の韓国人の中には、違法インターネットサイトの運営など、不法な事業に手を染める者も少なくないそうだが、それが被害に遭う可能性を高めているともいわれている。警察に頼れない状況を自ら作り出しているため、フィリピンのアウトローが犯す強盗などの対象になりやすいのだ。その場合、自業自得とも言えなくもないのだが、反対になんの罪もない定住者や旅行客がいきなり撃ち殺される事件なども起きており、韓国国内でも問題視する声が上がっている。

 フィリピン在住の韓人協会関係者は「フィリピン警察は金を出さなければ動かない。同胞がお金を出し合い、警察の捜査支援金や懸賞金を捻出している状況」と困惑気味。

 事態にしびれを切らせたのか、現地の韓国大使館や韓人協会自ら防犯に本腰を入れ始めている。例えば、韓国人が食堂やナイトクラブ、事務所を多く構えるマニラ・マラテ地域では、窃盗、強盗、拉致などが相次いでいるが、4月下旬には韓国人による自警組織が組まれ、専用の派出所も設置された。すでに、地元警察と協力して、数人の窃盗犯を逮捕したというニュースも聞こえている。駐フィリピン韓国大使館・パク・ヨンジュン大使も、「今後、自警用の派出所を他の韓国人密集地域に追加で設置することを検討している」と宣言しており、積極的に自警活動を展開していく構えだ。
 
 果たして、自警活動を展開することで、韓国人相手の犯罪は減るのだろうか?
(取材・文=河鐘基)