インフルエンザに罹った場合、重症化させないための処置として、国内の医療機関は、現在4種類の抗ウイルス薬を使用している。
 そのうちの一つ『タミフル』は服用薬で、副作用の問題から10代への投与は慎重に行うことが求められている。また『ラピアクタ』は点滴で、入院患者などに使用されることが多い。『リンザ』や『イナビル』は吸引タイプの薬で、指示に従って吸い込むと言う行為は乳幼児には不向きだ。

 それぞれ向き、不向きを補いながら治療で選択されている。しかし、先ごろ英国の国際研究グループによる「タミフルには合併症や入院を防ぐ効果はない」とする研究報告がマスコミに報じられたため、関係者の間に衝撃が走った。抗インフルエンザ薬を飲んでも重症化を防ぐことはできないというものだ。
 日本では逆に、過去の院内感染でインフルエンザに感染した高齢者にタミフルを服用させず、感染を拡大させた苦い事例もある。

 医療機関では近年、迅速検査キットによって、インフルエンザかどうか簡単にわかるようになったが、その一方で「迅速検査キットの感度は8割程度。100%頼れるものではない」と、前出の大畑主任研究員は言う。
 「迅速検査キットを受けた人で“陰性”と言われて薬を処方されなかった人もいます。発症早期では陽性率は低いとの報告もありますので…。大切なことは治療に当たる医師も、検査キットに頼り過ぎず、総合的な判断をすることです」

 最後に、専門家によるインフルエンザ撃退法チェックリストを挙げて貰った。
 (1)外出時はマスクを着用し、こまめな手洗いを心がける。
 (2)インフルエンザ患者との接触歴があり、咳や鼻水などの軽度の症状が出た時は、家庭内や職場で自らマスクを着用し、感染の拡大を防ぐ努力を。
 (3)38℃の発熱や咳、くしゃみといった風邪のような症状のときには、自宅療養を心がける。
 (4)30〜40℃の高熱、筋肉痛や関節痛などの症状があるときは、早めに医療機関を利用する。
 (5)規則正しい生活とバランスの良い食事を心がけ体内の免疫力を高める。

 インフルエンザワクチンに不安が残るというなら、インフルエンザ撃退法で自己防衛する心構えこそ、肝要ということだ。