天才浮世絵師・葛飾北斎とその娘、お栄を知るための3冊をブックコンシェルジュが紹介

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歴女として知られる女優・杏が声優を務める映画『百日紅(さるすべり)〜Miss HOKUSAI〜』が5月9日(土)から公開に。杏が声を担当するのは、天才浮世絵師・葛飾北斎の娘であるお栄。彼女もまた才能あふれる浮世絵師だったそう。

浮世絵は知っているけど、なにがどう凄いのかよくわからない…そんな人のために、ジュンク堂書店池袋本店の文庫・新書担当の福岡さんに、浮世絵について楽しく学べる本を3冊教えてもらった。本を読んだあとは、映画を観に行ったり、美術館に浮世絵を観に行ったりしてみては?◆ドラマチックな翻訳小説で葛飾お栄の人生をひも解く


浮世絵師・葛飾北斎の娘、応為こと葛飾お栄の謎に包まれた人生を、緻密な調査と豊かな想像力で描き出した歴史フィクション。

「海外で出版されていた小説を和訳したのがこの小説。著者はカナダ人なんです。外国人が書いたと思えないほど、きっぷのいい台詞回しが心地よく、江戸時代の女性の心理描写がとても美しい。史実に沿って描かれているので歴史の勉強にもなり、歴史好きにもおもしろく読めると思いますよ。また、浮世絵の説明を文字で表現しているので、浮世絵についての良し悪しを、わかりやすく学ぶことができると思います」

『北斎と応為 上』キャサリン・ゴヴィエ著、 モーゲンスタン陽子訳/彩流社/2376円

◆15人の浮世絵師たちの人生と作品について学ぶ


最先端の美、欲望、風俗…。リアルな江戸を写し出した浮世絵。世界に誇る多数の作品を残した江戸時代に活躍した、葛飾北斎をはじめ、菱川師宣、喜多川歌麿、歌川豊国など、15名の浮世絵師の波乱万丈な人生を描く。

「現代では価値を認められていますが、当時は庶民の娯楽であった浮世絵。そのため、浮世絵師たちの地位は低く、春画で生計を立てていた方もいらっしゃるそうです。そんな浮世絵師たちの人生は波乱万丈に満ちたものだったそう。彼らの日常を通して、リアルで興味深い江戸文化を知ることが出来るはずです」

『江戸の人気浮世絵師〜俗とアートを究めた15人〜』内藤正人著/幻冬舎新書/1015円

◆北斎の作品を解説付きのカラー写真で鑑賞したいなら


「画狂人と称された、天才浮世絵師の葛飾北斎。その作品はやっぱりカラーで鑑賞したいものですよね。そんなときにおすすめなのがこちら。作品をカラーで紹介するとともに、当時の民衆の反応から北斎の人物像を浮き彫りにしています。狂人と言われるだけあり、さまざまな逸話が残っている北斎の素顔が見えてくる。浮世絵について知れるだけでなく、江戸文化も知ることができますよ」

初期の役者絵から美人画、摺物、本挿絵、絵手本(北斎漫画)、風景画、花鳥画、そして晩年の肉筆画まで。代表作と名高い69点を、江戸文化と絡めながら読み解く1冊。

『カラー版 北斎』大久保純一著/岩波新書/1080円