ホワイトハウスの3代目CTOが語る「デジタルガヴァメント」のつくり方

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元グーグル幹部であり、昨年ホワイトハウスのCTO(最高技術責任者)に抜擢されたミーガン・スミス。CTOとしての彼女の役目は、政治にテクノロジーを取り入れること。「デジタルガヴァメント」を実現させることである。

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ミーガン・スミス|MEGAN SMITH
米国政府CTO(最高技術責任者)。マサチューセッツ工科大学にて機械工学の修士号を取得後、アップルやジェネラル・マジック社を経て、2003年にグーグルに入社。2012年より同社の次世代技術開発を担うプロジェクト「Google X」のヴァイス・プレジデントを務める。2014年9月、ホワイトハウスの3代目CTOに抜擢された。

アメリカ政府は、テクノロジーの導入という点ではイギリスなどの国からいまだに数年遅れていると、ホワイトハウスのCTO(最高技術責任者)ミーガン・スミスは言う。それらの国に追いつくことは可能だが、そのためにはテック業界が、政府のために「姿を現す」ことが必要だという。

「政府というのは、テック業界の人々がつくるものなのです」と、ニューヨークで行われたカンファレンス「Business of Civic Tech」でスミスは語った。「わたしたちが姿を見せれば、国はわたしたちの技術を使うでしょう」

これはスミスが、昨秋グーグルの華々しいキャリアを離れて政府のCTOに就任した際に、自らの肝に銘じたことでもある。そして彼女はいま、ほかのテック業界の人々にも同じことを求めている。

しかし、彼らを説得するのは大変だろう。シリコンヴァレーは政府のことを、途中で介入してきて物事を遅らせる、技術者にとっての邪魔な存在だと考えているからだ。シリコンヴァレーの自由主義者の本音はこうだ──自分たちでほとんどすべてのものをつくることができるのに、なぜ政府が動くのを待たなければいけないんだ?

シリコンヴァレーの頭脳を政府に

CTOとなったスミスの新たな役割は、こういったテクノロジー業界の考えを変えることだ。そして彼女が言うには、新たな考えはすでに広まりつつある。

それは、政府で働くテック業界の大物がスミスだけではないことを見ればわかるだろう。今年2月にはリンクトインでデータ製品部門を率いていたD.J.パティルがチーフ・データ・サイエンティストに、先月にはツイッターやミディアムに在籍してきたジェイソン・ゴールドマンが、アメリカ初のチーフ・デジタル・オフィサーに就任している。

政府がシリコンヴァレーの頭脳を採用すればするほど、シリコンヴァレーの手法も採用されるようになる、とスミスは言う。それは、イギリスのようなデジタルガヴァメントの成功国に追いつくことにつながるのだ。

デジタルガヴァメントへの道のり

イギリスはコンピューターサイエンスを国立学校のカリキュラムに取り入れているだけでなく、公的機関もオンラインマーケットプレイスといったツールを活用するなど、テクノロジーの導入を進めている。その目的は政府の手続の迅速化であり、そのために技術部門と公的機関が協力して働いている。イギリスはまた、ニュージーランド、エストニア、韓国、イスラエルと共に、G8スタイルの先進デジタル政府会議「D5」を開催している。

スミスは、アメリカもすぐにこの水準に達することができると信じていると語る。彼女によれば、すでにアメリカ政府内でもポップアップのハッカソンが行われたり、新しいテクノロジーのためのピッチ・コンペティションが開催されたりしているのだ。「18F」と呼ばれる新たなデジタルガヴァメント・イニシアチヴを通じて、政府はすべての機関に技術チームをつくり、内部からイノヴェイションが生まれることを助けている。

挑戦の道のりは長いかもしれないが、政府がより多くの優秀な技術者を採用することで国を動かすテクノロジーは発展し、より素早い変化を生み出すことができるようになるだろう。

「テック業界の人々に求められていることは、姿を見せることだけです」とスミスは言う。「そうすれば、わたしたちはやりたいことができるのです」

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