震災で被災した白川小峰城の三重櫓修復も終わった

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 スタンプラリーといえば鉄道の駅や道の駅、観光地などひとつのテーマでまとめられたものがよく知られている。スタンプの配置範囲は広くても関東や近畿など広域ブロックまでだったのだが、2007年にスタートした日本列島を北から南までまたにかけるスタンプラリーが、じわじわ人気上昇中だ。北海道根室から沖縄本島までと広大なスタンプラリーは、日本100名城がテーマだ。

「お城は動かないものですし城郭ファンは昔から存在しましたが、最近の盛り上がりは予想以上です」と話すのは、株式会社学研パブリッシングで城郭に関するムックや書籍を担当する早川聡子さんだ。とくに持ち歩きに適したA5判の『日本100名城に行こう 公式スタンプ帳つき』は2012年の第1刷から今年で7刷りまで数え、10万部を突破した。

「お城の愛好家は昔からいらっしゃいますのでロングセラーになるだろうと思っていましたが、これほど増刷ペースが加速するとは予想していませんでした。築城400年を迎えたお城が続いたこと、日本全国でお城の改修工事が終わり話題になったこともありますが、2006年に公益財団法人日本城郭協会が『日本100名城』を選定し、スタンプラリーを始めたことを大きなきっかけとして、若者や女性の愛好者が増えています」

 たとえば彦根城と熊本城の築城400年祭が2007年、2008年は松江城、名古屋城が2010年、2009年が篠山城、伊賀上野城と弘前城が2011年と続いた。改修工事も熊本城の本丸御殿大広間復元が2008年、名古屋城の本丸御殿改修工事は2008年から始まり現在第2期工事中。今年は姫路城の全面改修が終わり、東日本大震災で被災した白川小峰城の三重櫓修復も終わり一般公開が始まったばかりだ。

 城をめぐる楽しさが広まっていることを反映してか、城関連の書籍や雑誌も増えている。この春に刊行された城めぐりを扱ったものの例を挙げると『一度は訪ねたい 日本の城』(朝日新聞出版)、『天晴れ!城めぐり 旅の手帖mini』(交通新聞社)、『日本の城全国版』(ディアゴスティーニ・ジャパン)、『隔週刊 名城をゆく』(小学館)などが並ぶ。

 実際に城郭を訪れる人も増え続けている。天空の城として人気の兵庫県朝来市の竹田城趾は2014年に10年前の20倍超を記録、愛知県犬山市の犬山城も2013年の入城者数が21年ぶりに44万人を超えた。大天守の一般公開を始めた姫路城は、1日の入城者が1万5千人を突破して入城制限をもうけるほどになっている。

「その時代のお殿様が威信をかけて建てた城郭には、いろんな楽しみ方があります。桜の名所が多いように観光地として、歴史に思いをはせる場所として、建築様式についても楽しめます。お城がある地元の自治体側もローカル検定やボランティアガイドを養成したり、おもてなし武将隊などでリピーターを増やし、地域住民からの関心も高まってよい相乗効果を生み出していますよ」(前出・早川さん)

 きっかけはスタンプやゆるキャラであっても、じっくり学ぶ人が年齢問わず目立つのが最近の特徴だ。一昔前は中高年の趣味と言われがちだった城めぐりだが、年齢を問わない趣味となりつつあるらしい。