最終ラインは岩清水を中心に前回大会から主力を務めるメンバーが並ぶ。連係面はまったく問題ない。 (C) Getty Images

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 5月1日、カナダ・ワールドカップに挑むなでしこジャパンのメンバーが決定した。ここではその23人を紹介する。

【PHOTO】なでしこジャパンW杯メンバー23人が決定!

GK
1福元美穂(湯郷ベル)
 身長こそ他のふたりに及ばないが、強靭なメンタルと正確なコーチングでDF陣からの信頼は厚い。07年の中国大会、08年の北京五輪、12年のロンドン五輪では正GKを務め、11年のドイツ大会では出場機会に恵まれなかったが、真摯にトレーニングに励む姿は指揮官から高く評価された。
 
 レギュラー争いは過酷だが、どのような形でもチームに好影響を及ぼす存在だ。

18海堀あゆみ(INAC)
 4年前のドイツ大会では正GKを務め、世界一獲得に大きく貢献。アメリカとの決勝戦では、同点のまま迎えたPK戦で相手のシュートを2本セーブし、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。
 
 続くロンドン五輪以降は福元、山根との争いのなか、出場機会が減少したが、今季のなでしこリーグでは堅実な守備でINACの開幕5連勝に貢献するなど状態は良い。

21山根恵里奈(千葉L)
 男子にも見劣りしない187センチの高身長が武器。09年に鳴り物入りで加入した東京電力マリーゼでは、チームが11年に休部してしまうなど苦労を重ねたが、12年にはなでしこジャパンに初選出された。
 
 今季は勤務先から労働時間短縮の配慮がなされ、リーグ戦では「クロスがゆっくり見える」と口にするほどの好調だ。新守護神としての期待は高い。
 
DF
2近賀ゆかり(INAC)
 07年の中国大会からなでしこジャパンの右サイドを支える不動のSB。ただ、“サイドの職人”というイメージが定着しているなか、ベレーザ時代は松田岳夫監督(現INAC監督)の下、様々なポジションで起用され、昨季まで所属したアーセナルLではボランチに挑戦した。
 
 プレーの幅を広げているだけに要所で気の利いた活躍を見せてくれそうだ。
 
3岩清水梓(ベレーザ)
 代えの利かないディフェンスリーダー。身長差を苦にしない空中戦の強さ、優れたカバーリング、正確なフィードはどれをとっても一級品だ。
 
 4年前のドイツ大会の決勝、アメリカ戦では、延長戦終了直前にレッドカードを提示され、優勝決定の瞬間はスタジアムの通路で迎えた。それだけに、今度こそ歓喜の時をピッチの上で味わいたい。
 
4熊谷紗希(リヨン/フランス)
「次期キャプテン」の呼び声が高く、宮間らとチームを牽引し、大会連覇へ挑む。ボランチ出身で、ビルドアップ能力は非常に高い。「体調を崩したり、怪我で練習を休んだりすることがほとんどない」(佐々木監督)と計算が立つ点も魅力だ。
 
 前回のドイツ大会では、直前に負傷した頭部に包帯を巻き、初戦を戦い抜くなど根性を見せた。欧州の名門・リヨンで得た経験をチームに還元したい。
 
5鮫島 彩(INAC)
 攻撃参加の意識が高い左SBとして日本のサイドアタックを支える。12年のロンドン五輪以降、度重なる怪我に見舞われ、「自分自身への期待値を低く見積もっていた」とやや自信をなくしていた。
 
 しかし、昨年10月のカナダ遠征で代表復帰を果たすと、カナダとの親善試合では決勝ゴールをマーク。鮮やかな復活劇を見せた。今季はINACへ移籍し、コンディションの良さを見せる。

12上尾野辺めぐみ(新潟L)
 柔軟性が光るレフティ。新潟Lでは対戦相手や状況に応じてFWからボランチまで幅広くこなし、なでしこジャパンでは主に左SBを務める。
 
 特筆すべきはパワー、スピード、正確性の三拍子が揃ったその左足。セットプレーでは右の宮間と並べて“2枚刃”として起用すれば面白いはず。世界一となったドイツ大会組のひとりとして経験値も高い。

19有吉佐織(ベレーザ)
 両SBを遜色なくこなせる器用さが売り。代表の常連ではあるものの、世界大会となるとなぜかメンバーから落選。大舞台を経験できずにきたが、今回ようやくその切符を手にした。
 
 ロンドン五輪以降、海外挑戦した近賀、怪我の鮫島に代わりSBのレギュラーを務めてきただけに、本大会でもその座を守りたい。ドリブル突破だけでなく、正確性を増したクロスにも注目だ。

20川村優理(仙台L)
 これまで今ひとつ存在感がなかったが、昨年5月のアジアカップでアピールに成功すると、続く10月のカナダ遠征、今年3月のアルガルベカップと一連のテストを経て、指揮官の信頼を勝ち取った。
 
 今季のなでしこリーグでは、ボランチながら4ゴールを挙げ、得点ランク2位タイに位置する(5月1日現在)。代表ではボランチ、CBでの起用が濃厚だが、セットプレーでの得点力に期待だ。

23北原佳奈(新潟L)
 CBのバックアッパーとして選出。代表ではこれまで出番を待ち続け、昨年9月のアジア大会でチャンスを射止めた。対人能力に優れ、セットプレー時の得点能力も高い。
 
 空中戦の強さも売りで「海外にはもっと高い選手もいる。それでも、ヘディングの競り合いでは絶対に負けたくない」と力が入る。今季は開幕前に負傷で出遅れたが、順調に回復。ワールドカップには万全の状態で臨む。
MF
6阪口夢穂(ベレーザ)
 かつてベレーザで指揮を執った野田朱美日本協会女子委員長が、「巧い選手はどのポジションをやらせても巧い」と呟いたように、どんな役割でもこなせる高いサッカーセンスの持ち主だ。
 
 またチームトップクラスのスタミナも兼備。澤、宮間、宇津木らボランチ候補は多いが、阪口を軸に組み合わせが決まることになる。
 
7安藤梢(フランクフルト/ドイツ)
 MF登録だが、主にFWで活躍するベテラン。ひたむきなフォアチェックでチームを助ける。3月のアルガルベカップでは久々に代表復帰し、デンマーク戦でゴールをマーク。いぶし銀の働きを披露した。
 
 ドイツに渡って6年、現在はフランクフルトに所属し、5月14日にはチャンピオンズ・リーグ決勝を控える。
 
8宮間あや(湯郷ベル)
 正確無比な両足のキックと強いキャプテンシーでチームを牽引する絶対的な司令塔。昨季は湯郷ベルをなでしこリーグ・レギュラーシリーズ優勝に導き、創部以来初となるタイトルをもたらした。
 
 また、代表ではアジアカップ初優勝に大きく貢献。ワールドカップは03年のアメリカ大会から出場し、今回のカナダ大会で4度目。澤に次ぐ出場キャップ数を誇る。
 
9川澄奈穂美(INAC)
 4年前のドイツ大会でブレイクした「シンデレラガール」は、今や押しも押されもせぬ、なでしこジャパンの中心に。チーム随一のスピードと体力で、タッチライン際を上下動し、正確なフィニッシュで得点に絡む。
 
 昨季は単身、アメリカに渡り、フィジカル、メンタルともに大きく成長。大柄な外国人選手たちを相手に磨いた技術をカナダの地で披露したい。
 
10澤 穂希(INAC)
 日本のレジェンドは、一昨年から昨年にかけてコンディション不良に悩まされ、一時は落選も囁かれた。しかし、4月26日のAS埼玉戦でリーグ通算150ゴールを達成するなど今季は好調を維持し、見事メンバー入り。
 
 ワールドカップ6大会連続出場は、男女通じて世界初となる。昨年5月のアジアカップ後、指揮官は「現在の澤の使い方が分かった」とコメントしたが、その起用法が気になる。
 
13宇津木瑠美(モンペリエ/フランス)
 10年前のニュージーランド戦で代表デビューし、着々と序列を上げ、ようやく主力のひとりとして今大会に臨む。
 
 3月のアルガルベカップでは、チームの不調を余所に光り輝くプレーを随所に披露。10年から所属するモンペリエで培ったフィジカルの強さ、左足の精度の高さを見せつけた。SBやボランチ、中盤の2列目などをこなせるユーティリティ性でチームを助ける。

14田中明日菜(INAC)
 ロンドン五輪後、ドイツに渡り、約1年間フランクフルトでプレー。昨年10月にはINACに復帰し、極度の不振に喘いでいたチームの再建に大きく寄与した。
 
 常盤木学園高出身で鮫島の後輩、熊谷の先輩にあたる。本来のポジションはボランチだが、最近はボールを散らせる現代的CBとして起用される。

22永里亜紗乃(ポツダム/ドイツ)
 兄・源気(タイ・ラーチャブリーFC)、姉・(大儀見)優季を持つ永里三兄弟の末っ子。
 
 これまで代表ではSBなどで試されたが、昨年10月のカナダ遠征では中盤の2列目やFWで持ち味を発揮。優季とのアベックゴールでアピールし、本大会メンバーに滑り込んだ。
FW
11大野 忍(INAC)
 ピッチ内ではチャンスメーカー、ピッチ外ではムードメーカーとして貢献する。宿舎ではあえて道化役を演じ、仲間をいじりながら、チームに明るい雰囲気を作る。
 
 ここ数年は、INAC、リヨン、AS埼玉、アーセナルLと渡り歩き、今季はINACに復帰。代表で長年プレーする大儀見とのコンビネーションは高い完成度を誇る。
 
15菅澤優衣香(千葉L)
 U-20代表では岩渕、郄瀬らの陰に隠れ、ロンドン五輪は直前の怪我で棒に振るなど目立たない存在だったが、昨季は20ゴールでなでしこリーグ得点王に輝くなど、国内有数の点取り屋に成長した。
 
 今季も5試合を終えて5ゴールと好調を維持(5月1日現在)。A代表での世界大会は初参加となるが、勝負強さを見せたい。

16岩渕真奈(バイエルン)
 08年のU-17ワールドカップでは、大会MVPを受賞するなど、早くからその才能を認められてきた“リトル・マナ”は、前回大会、ロンドン五輪に続いてメンバー入り。
 
 近年は代表での存在感が薄まっているが、ドイツでのプレーを通して確かな成長を見せている。得意のドリブルを活かし、チームに貢献したい。
 
17大儀見優季(ヴォルフスブルク/ドイツ)
 中学生でA代表に初招集された高い才能は、ポツダムでチャンピオンズ・リーグ制覇、ブンデスリーガ得点王を獲得し、チェルシーLではエースとして活躍するなど、ここ数年、輝かしい実績を残す。
 
 左右両足、頭と、どこからでもゴールを狙える頼もしいストライカーは、大会連覇のキーマンであり、自身も得点王を狙う。
 
文:西森彰(フリーライター)