【一人につき3000万円!?】子どものいる世帯の貯蓄と教育費の考え方のポイントとは?

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子どもの将来のためにもなんとか貯まる生活を送ろう、と思っている人は多いはず。そんな人こそ、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんの「WEB上お金の賢い貯め方・使い方レッスン」が必見です。

子どもの人数や年齢によって貯め方もバラバラ

子どもが生まれた世帯は、今までの夫婦単位が家族単位となり、お金の流れがやや複雑になるのが大きな特徴です。また子どもが産まれることで、育児休暇を取得したり退職するなどによって家計の中での貯蓄がペースダウンするのもこの子育て時代。そして、お子さんの年齢によっても貯め方が変化していきます。やや一般論になりがちな内容ですが、今回は教育費を中心にした貯め方をご紹介します。


子ども一人につき3000万円のお金がかかる!

一人で3000万円、二人で6000万円、三人で9000万円?!と計算された方も多いのではないのでしょうか。このように数字だけで考えると、気の遠くなるような金額ですが、これは養育費と教育費を合計した金額で、そのうちの1000万円程度が教育費です。この教育費も、幼稚園から大学までの20年近くにも渡って払い続けた場合のトータルの金額。一括で用意するべき金額ではありませんのでまずはご安心を。

また、教育費は公立か私立かによってその金額が大きく変わるため、家計や貯蓄などお財布と相談しながら進学先を決めたり、足りない分は奨学金の利用を考える必要も出てくることでしょう。場合によっては、祖父母からの援助を受けることも。この時期は、貯めたお金がどんどん出て行ってしまいますが、お金は遣うためにあるものと割り切る気持ちも大切です。

養育費も同様に食費や被服費といったものですから、お下がりを活用したり節約をすればある程度までは抑えることができます。教育費、養育費は長距離マラソンのようなものです。ペース配分を間違えないように着実にゴールを目指しましょう。


赤ちゃん時代の貯め方


こうしてみると、赤ちゃん時代は長い子育て時代の中で比較的貯め時であると考えられます。生まれたばかりの赤ちゃんには、あれこれ買ってあげたくなってしまいたくなりますが、スタートが肝心です。教育資金(主に大学の学費)をコツコツと貯め始めましょう。国公立は4年間で約270万円、私立なら約550万円かかると言われているため、どちらへ進んでも大丈夫なように、学資保険や積立で備えましょう。仮に18歳で300万円貯めるなら、月々約1万3900円。500万円なら約2万3200円です。そう思うとそれほど厳しい金額ではないはず。毎月決めた金額を貯蓄に回しましょう。

保育園、幼稚園時代の貯め方


保育園の保育料は、世帯年収や自治体によっても金額が異なりますが、一般的には月齢が低いほど料金が高く、小学生に近くなるにつれて安くなります。また、自治体や保育園によっては、下の子の保育料が安くなることもあります。働くお母さんにとって、保育園時代の保育料が家計に重くのしかかることもあり、場合によってはお母さんのお給料がそのまま保育料になってしまうケースもありますが、考え方によっては後々の投資と思って割り切るお母さんも多いようです。またベビーシッターの手を借りることなどの場合もありますので、そうした対応の費用も考えておきましょう。そして、公的な補助制度なども確認、手続きをしておくことも忘れずに。

私立幼稚園に3年間通った場合の費用は文部科学省の「平成24年度 子どもの学習調査費」によれば、110万1000円。習い事などの費用は36万円の合計146万1000円。自治体によっては、幼稚園就園奨励費補助金が支給されることもあるので、調べてみましょう。

保育園、幼稚園時代は、意外とお金がかかりますが、自治体によっても費用が異なるので、早めにリサーチをして、子育て世帯にやさしい自治体への引っ越しを検討するのもおすすめです。そして、家計をなるべく膨らませないように積立を継続させながら、手取り収入の1割は別途積み立てておきたいところです。


小学生時代の貯め方


公立小学校へ進学した場合の学校教育費と給食費は6年間で58万2000円、塾などの学校外活動費は6年間で125万4000円の合計183万6000円。数字だけで考えると、学校自体の教育費はそれほど心配する金額でもなさそうです。問題は塾にかけるお金です。中学校受験対策は小学校4年生からとも言われていますから、受験を考えている場合は3年生まではできるだけ貯蓄にまわしておきましょう。またお子さんの人数と一番下のお子さんの年齢にもよりますが、仕事に復帰したりパートに出るといった収入を増やすことも考えてみるのも一案です。中学校受験を考えていないのであれば、こういった費用はかなり抑えることができます。そう考えると、小学生時代も貯め時とも言えます。貯蓄額は、子どもの人数×大学費用積立にプラスして、中学校、高校入学時にかかる制服代や教材費の準備もしておきましょう。


中学生時代の貯め方


公立の中学校の学校教育費と給食費の合計は3年間で、50万4000円、塾代といった学校外活動費は84万9000円で、合計135万3000円です。子どもの手もそろそろ離れるころですので、本格的に働いて収入を増やして大学費用に余裕を持たせるのも手です。とは言え、その間に住宅を購入している場合もあり、繰上返済は無理にしようと考えずに、教育費とのバランスを考えながら余裕があるなら、繰上返済も視野に入れると良いでしょう。


高校生時代の貯め方


大学入学まであと少しとなった高校生。公立高校の3年間の学費は69万3000円、学校外活動費の合計は46万8000円の合計116万1000円。この時点で、現在の教育資金の貯まり具合を考えながら、奨学金の制度などの借入の条件などもチェックしておきましょう。

また、進学する場所も自宅から通える大学にするのか、それともアパートを借りて一人暮らしをさせるのかにもよって、かかる費用が変わります。地方在住であれば、一人暮らしの費用もプラスして考えておいたほうが良さそうです。日本学生支援機構、平成24年度学生生活調査によると、一人暮らしの大学生における年間の生活費は住居費を含めて年間約101万円。4年間で約440万円です。この部分をどのように捻出、節約するかを本人と話し合って志望校を決めたり、大学生になったらアルバイトをするといったお金の取り決めをしておくとお子さんにとっても具体的な進路を考えるきかけになるでしょう。

こうしてみると教育費は、かけどころと、抑えどころを見極めることが大切です。そのうえで計画的な貯蓄と徹底した情報収集で上手に乗り切っていきましょう

※幼稚園〜高校生の教育費等の金額は文部科学省の「平成24年度 子どもの学習調査費」を参考にしています。

取材協力


丸山晴美さん

旅行会社、コンビニ店長などを経て2001年節約アドバイザーとして独立。節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。食費はもちろん生活全般の節約術・ライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなど様々なメディアで活動中。
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