6月からスタートする2018年ロシアW杯アジア2次予選の組み合わせが決定した。E組に入った日本の対戦相手はシリア、アフガニスタン、シンガポール、カンボジアの4ヵ国だ。

アジアでの戦いは本当に難しい、というのが率直な感想だね。といっても、勝ち抜きに苦労しそう、というわけじゃない。その反対で、相手のレベルが低すぎるんだ。たとえるなら、天皇杯でプロと高校生が戦うようなもの。

貴重な国際Aマッチデーをなんの強化にもならない、勝って当たり前の相手との試合に費やさなければいけない。一方で、他の大陸の国は力の拮抗(きっこう)した相手としびれるような予選を戦うというのに、これでは世界との差を縮めるのは難しい。アジアの抱える大きな問題だね。

前回のブラジルW杯、日本は1次予選、2次予選を免除されて3次予選から参加し北朝鮮やウズベキスタンなど歯応えのある相手と対戦した。でも、今回はレギュレーション変更によってシード国も2次予選から戦うことになってしまった。一体、AFC(アジアサッカー連盟)は何を考えているのだろう。

よく「W杯予選は何が起こるかわからない」というけど、今回の2次予選に関してはまったく当てはまらない。どう考えても何も起こらない。どんなメンバーで臨もうと、誰が監督だろうと日本は最終予選に進出する。それほど実力差が大きいんだ。

だから、ここでの結果や内容は最終予選に向けてほとんど判断材料にならない。なんとか盛り上げたいメディアは「○○に大量得点で快勝!」とか「××がハットトリック!」とか煽(あお)ると思うけど、相手の力を理解した上で、冷静に受け止めなければいけない。

メンバー起用についても、すべての試合に無理してベストメンバーで臨む必要はない。唯一、歯応えのありそうなシリアとの2試合だけ、ハリルホジッチ監督の考えるベストメンバーにすればいい。他の試合は今までなかなか出場機会に恵まれず、アピールしたくてウズウズしている選手をどんどん起用してほしい。現実的には難しいだろうけど、16年リオデジャネイロ五輪代表を目指すU−22代表のメンバーで戦ってもいいくらいだ。

いずれにしても、今後の代表強化には不安がいっぱい。2次予選は来年3月まで、最終予選は来年9月から再来年9月まで、ともに長期間、多くの国際Aマッチデーを費やして行なわれる。その間にはスポンサーの名を冠した国内での“興行”(親善試合)もやらなければならない。果たして、そんな状況で強化のために最も必要な強豪とのアウェー戦を組めるのだろうか。日本サッカー協会にはなんとか頑張ってもらいたいね。

スケジュール的に厳しいとはいえ、そうなることは以前からわかっていたわけだし、たとえ国際Aマッチデーでもすべての国が試合を行なうわけではない。相手国を欧州に限定せず、南米、北中米、アフリカと視野を広げ、自分たちから厳しい環境を求め、打って出ていくべきだ。オーストラリアや韓国などアジアの強豪だっていい。

マッチメイクにはそれなりの予算がかかってしまうだろうけど、得られる成果を考えれば安いもの。弱い国が世界で勝とうとするなら、その程度の努力や投資はすべき。協会の覚悟が問われるね。

(構成/渡辺達也)