オキュラスリフトが、VRが、教育の現場を変えつつある

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教育機関におけるヴァーチャルリアリティの活用が、確かに広がっている。その象徴的な例となるプロジェクト「Apollo 11 Experience」は、Kickstarterでつい先ごろ36,000ドルを少し上回る資金を集めたもので、ニール・アームストロング、バズ・オルドリン、マイケル・コリンズが月面上で人類の歴史を記すに至らしめたミッションを、ヴァーチャルリアリティで再現する。

Kickstarterでサポートを受け付けている「The Apollo 11 Experience」(アポロ11号を体験せよ)では、既にダウンロード可能な無料のデモが、オキュラス・リフトを持つすべての人を、1969年7月16日13時を少し過ぎた後のケネディ宇宙センターの発射プラットフォームへと連れて行く。地面すれすれを飛行して、サターンVの厳めしさを目の当たりにできるし、再現されたあらゆる細部を見ながらエレヴェーターから制御モジュールの入口までを、3人の宇宙飛行士に付き添うことができる。

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動画を見る限り、テクスチャーは必ずしもつくりこまれてはいない。インタラクティヴ性についても限定されていて、せいぜい周囲を見回せるくらいだ。

にもかかわらず、この数分のヴィデオはそれ自体、十分に印象的だ。資料映像や、クルーとコントロール・センターの間のオリジナルの記録や通信が豊富で、さらに、ジョン・F・ケネディが1962年9月12日に行ったライス・スタジアムの演説が最初に流れる。

The Apollo 11 Experienceはただの娯楽ではない。「Immersive VREducation」プロジェクトの第1弾となるもので、このプロジェクトで展開されるのは、さまざまなヴァーチャルリアリティ・コンテンツで、その領域は数学から地理学、科学や天文学から歴史上の出来事にまで及ぶ。

既に太陽系のツアー、「Titans of Space」は利用可能で、ビッグバンを再体験できる「From Ashes」)や歴史的なロケーションを再現する「Project Time Travel」のようなタイトルとともに、ヴァーチャルリアリティの娯楽以外での潜在能力を証明している。

神経言語学者、ジェームズ・ポール・ジーが『ヴィデオゲームが学習とリテラシーについて教えてくれること』(What Video Games Have to Teach Us about Learning and Literacy)で示唆したように、こうしたプロジェクトはゲームのダイナミズムを抽出して、その効果を学習のプロセスに応用している。

1916年7月1日のソンムの戦いによって2つに分断された戦場を舞台とするヴァーチャル・ツアー、「The Trench」を発表したImmersive VREducationは、大学などの教育機関に対して、ヴァーチャルリアリティの講義の実現を提案している。「相対性理論を説明するアインシュタインと一緒に、教室に座ることを想像してみて下さい」と、プロジェクトについて示唆的に要約している。

NPO法人・Immersive Education Initiativeがヨーロッパで行うサミット「Immersion」の第5回が、パリのソルボンヌ大学で3日間にわたり開催され(9月7〜10日)、教育向けのヴァーチャル、ホログラフィー、ゲームの新しい地平を探求しようとしているのも偶然ではない。

「わたしたちは鍵を発明しました。ドアの向こうに何があるかを語るのは、他の人々でしょう」と、当時オキュラスプロジェクトの中心にいて、現在は競合であるVRSE Worksに移ったジョセフ・チェンは、わたしに語った。

彼にどのような返事をするかはともかく、Apollo 11 Experienceのようなプロジェクトは、間違いなく、鍵穴の中をしっかりと見据えている。

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