人と水の関係で言えば、人は水がないと食物を栄養に変えることができない。水が潤沢に無いと、排尿、排便など老廃物を排泄することに支障が起きる。その水補給をどう正しく摂るかを、しっかりと認識する必要がある。では、どのぐらいの量を、どのタイミングで摂れば適正な健康ライフを送れるのか。
 東京都多摩総合医療センター・循環器科担当医は次のように説明する。
 「よく言われるところの“1日2ℓの水を飲む”というのは多過ぎ。適切な量と飲み方に不安がある人は主治医に相談し、決して過剰摂取にならないようにしなくてはいけません。水は猛暑以外であれば、喉が渇いたと感じる時に飲めば十分。あとは、風呂上りにコップ1杯ほどの水を飲めば十分でしょう。また、水を飲む時に最も大事なことは、少しずつ小分けして飲むことです。体内の水分量の急激な変化を防ぎ、血液も固くならずに余裕のある体でいられます」

 加えて同担当医は、「水を正しく飲む」方法とその理由について以下の点を挙げた。

 (1)小分けして回数を多くする…水が一度に大量に入ってきても、体内の保水量は変わらない。大量摂取は排泄量も多くなり、大切なミネラル分も同時に排泄しかねない。しかも、それに伴い筋肉疲労も起きる。

 (2)健康のためにも“生水”を飲む習慣をつける努力を! …生の水を飲む習慣が少ない、または「ない」人は、最初は大変だが、それが普通になると糖分の多い自販機の飲料、ペットボトル飲料などは欲しくなくなり、さまざまな病気の予防にもつながる。

 (3)生の水を飲む子供は、野菜好きになる…生の水をよく飲む子は、糖分の多い甘い飲料を飲む子に比べ、野菜の持つ甘さがよくわかり野菜好きになる。逆に、甘い飲み物を好む子は、ますます甘いものを好むように脳の指令がエスカレートしていく。子供の糖尿病が増加する一因ともいわれる。

 (4)飲む間隔は30分から1時間を目安にする…真水(塩分など含まぬ純水)は吸収されにくいため、電解質を含む生水に近いものがベスト。食事のオカズに含まれる水分と合わせ、起きている間に2〜3リットル近い水分を補給する。体をあまり動かさない状態なら、30分に一口の水、軽く動かす程度なら30分にコップ1杯を、というように、運動量に合わせて加減する工夫が必要。

 (5)水分補給は運動量を考えて変える…軽いジョギングは1時間に400cc、激しい運動なら800ccを目安に補給する。もちろん多く摂ればいいのではなく、身体と相談しながら賢く摂ることが健康ライフに繋がる。

 (6)補給水で最も歓迎すべきは経口補給水。その作り方…激しい運動や汗をかくときは、経口補給水液が相応しい。作り方は簡単で、塩1.5グラムと砂糖20グラムを500ccの水で溶くだけ。冷た過ぎたり温か過ぎるより、5℃〜15℃くらいの補給水が良いとされる。

 生活習慣は万全で薬もきちんと飲み続けているのに血圧が下がらない人や、動脈硬化対策には水は不可欠だ。しかし、飲み過ぎては効果がないことも認識すべし。「水で血液サラサラに」とよく聞くが、「本来血液にサラサラやドロドロといった概念はない」(専門家)という。
 暖かくなり体を動かすシーズンに向け、今一度、自分のカラダに合った水と飲量を見つめ直そう。